オバマ米政権誕生
政界反応、就任演説要旨など
【国際】【関連】世界が歴史的演説期待 オバマ米政権誕生 『責任と負担』強調2009年1月21日 朝刊 米国史上初の黒人大統領として国民に「変革」と「責任」を訴えるオバマ新大統領の二十日の就任式。中東やアフガニスタンで続く戦闘、深刻な経済危機など、世界を暗雲が覆う中、新たな希望を見いだそうと世界中の人々が歴史的な就任演説に熱い視線を注ぐ。今も残る人種の壁を崩し、米社会の融和を進めるのも、新大統領が担う大きな課題だ。 【ワシントン=岩田仲弘】世界中が注目するオバマ新大統領の就任演説。すでに名演説家として知られるオバマ氏だが、期待が大きい分、重圧もかかるようだ。 オバマ氏は今月十日夜、スピーチの仕上げも兼ねて家族とリンカーン記念館を訪れた。その際、壁に彫られた第十六代大統領リンカーンの就任演説を見ていた長女マリアさん(10)から「最初の黒人大統領なんだから、いいスピーチしないとね」と言われたことをCNNテレビのインタビューで明らかにした。 だが、オバマ氏周辺は「内容にサプライズがあるとは思わない。彼が話してきたことは首尾一貫している」(アクセルロッド次期大統領上級顧問)と、あまり期待値が上がらないようけん制する。 一方、ギブス次期大統領報道官は「国民一人一人に対する一層の責任と義務の共有がテーマになる」と指摘。オバマ氏も最近、経済危機などを背景に「変革」実現にはそれだけ「責任と負担」が伴うことを強調している。 十八日のリンカーン記念館前での演説でも「困難な時こそ、国民の真価が発揮される」と訴えたばかりだ。 オバマ氏は歴代大統領の名演説を研究。第三十二代大統領フランクリン・ルーズベルトは一九三〇年代の大恐慌の最中に「唯一恐れなければならないことは、恐れそのものだ」と国民を鼓舞し、第三十五代大統領ケネディは「国があなた方のために何をしてくれるかではなく、国のためにあなた方が何をできるかを問おう」と訴えていた。いずれも国民に自覚や責任を求めたものだ。 オバマ氏の演説が、こうした名演説を意識した内容になるのは間違いない。歴史的な大統領として先達を超えられるかどうか、注目を集めている。
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