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「韓国は内需市場を拡大すべき」

 「内需市場を拡大できなければ、韓国の低成長は長期化するかもしれない」

 モルガン・スタンレー・アジア会長のスティーブン・ロッチ氏(写真)が20日、ソウル汝矣島で開催された、今後の経済を展望する会合に出席し、韓国に対して内需拡大の必要性を訴えた。ロッチ氏は「2001年から05年まで、世界経済は最高の好景気に沸いていた。この好景気で最も恩恵を受けていたのが韓国と中国だった」「この期間にダイナミックな内需の拡大に取り組むべきだったが、韓国はそれを怠った」と指摘した。韓国は行き過ぎた輸出依存型の経済構造のため、バブル崩壊の影響をまともに受けているというわけだ。ロッチ氏は「今からでも内需の拡大に取り組むべきで、もしそれが実現できなければ、低成長は長期化する」と警告した。しかし「短期間で米国に変わるような消費市場を持つのは難しいため、韓国は非常に困難な状況にある」と診断した。

 ロッチ氏は世界経済が回復する時期については、今年末か来年初めごろと予想している。しかし、それがすぐに以前のような景気回復を意味するわけではなく、低成長はそれ以後も続くという。ロッチ氏は「5%成長を再び達成するには、少なくとも5年は待つ必要があるだろう」と述べた。また現在の危機的状況は前例のないほどに異常な経済危機だとし、バブルが崩壊することで、これまでにない新たな状況を経験するようになると語った。世界経済の脱同調化はまったく実現しておらず、外国への依存度が高いアジア諸国が、過去のアジア通貨危機よりもさらに深刻な打撃を受ける、という悲観的な見方も提示した。

 ロッチ氏は米国の国内総生産(GDP)に占める消費の割合は、2007年上半期には不動産バブルの影響で72%に達したが、これが元の順調な状況に回復するには、信用不安が起こる直前の67%程度にまで落ち込む必要があると診断した。現在は71%まで落ち込んでいるため、少なくとも2年から3年は調整が続くという。

チェ・ヒョンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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