福島放送局

2009年1月21日 9時2分更新

出産時医療事故訴訟が和解へ


県立医科大学附属病院で出産した子どもが重い脳性まひで死亡したことをめぐって両親が大学を訴えた裁判の和解交渉が20日仙台高等裁判所で行われ、両親が和解の条件を示しました。
大学側は応じる意向で和解に向けて大きく前進することになりました。
この裁判は、福島市の幕田智広さん43歳と妻の美江さん43歳が7年前に起こしました。
美江さんは平成7年に県立医科大学附属病院で次女の未風ちゃんを出産しましたが未風ちゃんは重い脳性まひにかかり、4歳9か月で亡くなりました。

幕田さん夫婦は、出産の際、帝王切開に移る判断が遅れたために子宮が破裂し重い脳性まひになったと主張し大学側に損害賠償を求めていました。

1審の福島地方裁判所は去年5月「緊急事態への準備をしていれば事故は避けられた可能性が高い」として大学側に7300万円余りの支払いを命じましたが大学側は「医学的な根拠が十分に示されていない」などとして控訴していました。

20日仙台高等裁判所で和解交渉が行われ幕田さん夫婦から大学側に和解の条件が示されました。
細かい内容については明らかにされませんでしたが、大学側はNHKの取材に対して「条件さえあえば、和解する方向で進めている。示された案をもとに、具体的な内容についてつめていきたい」と答えました。
そして次の交渉が行われる来月13日までに大学側としての条件をまとめ、両親側に示したいとしています。