医療局の対応焦点に 岩手県立病院無床化で説明会
「無床化を撤回した上で、地域医療を守る話し合いを住民と深めることを強く要請したい」。19日夜、紫波町であった説明会。最後に席を立った住民団体の及川剛代表は医療局の田村均次局長に要請書を手渡した。 9日の一関市花泉町を皮切りに6市町村であった説明会には、地元住民130―370人が出席した。議論は2―3時間に及び、一関市では「決定経過が不透明」「県民の意見を反映させた代替案を作るべきだ」と不満が噴出。花巻市大迫町では「大迫町には民間医療機関が1つもない」と無床化を不安視する切実な声が上がった。 達増拓也知事が出席しなかったことにも批判が集中し、医療局は「まだ最終案ではない」「知事には伝える」と答えに苦労する場面もあった。 一方で、地元からの提案も。岩手、紫波両町の会場では医師会が宿直応援に触れた。紫波郡医師会の渡辺立男副会長は「外来や急患の受け入れをやめ、入院専門病院にしてはどうか」とベッドを残す方策も提言した。 花巻市の説明会では、県立遠野病院の貴田岡博史院長が「遠野病院が大迫地区をカバーする。夜間の不安を取り除きたい」と話すなど、医療局の現場医師からの積極的な発言もあった。 こうした提言や意見をどう扱うか。20日の県議会環境福祉委員会で対応を問われた医療局の田村局長は「県議会2月定例会前に最終案を提示する」と答えただけ。 一部の県議からは「地元の声を生かすには4月実施の先延ばししかない。草の根の声を封殺するようなら、2月定例会で新年度予算案を否決することも考える」と強硬論も浮上し始めた。
2009年01月21日水曜日
|