危険地域渡航者の自己責任要求　イタリア

　２０日付のイタリア紙レプブリカによると、同国国会のルテリ安全保障委員長はフラティニ外相に対し、危険地域への渡航者が拉致などの事件に巻き込まれた場合、救出にかかった費用を被害者本人の負担とする規則を設けるよう求めた。

　昨年９月、エジプトを旅行中のイタリア人５人が拉致されるなど同国人を巻き込んだ事件が相次いでいるが、これまで身代金支払いや対策本部設置などの費用はすべて政府が負担しており、批判が高まっていた。

　具体的には、同国外務省が渡航自粛を勧告する地域で起こった事件での費用支払いを事件解決後、被害者に求めるほか、渡航者に保険加入を義務付けることなどが検討される見通し。

　外務省は現在、イスラエルやロシア南部チェチェン共和国など約１５地域に渡航自粛を勧告している。（共同）