オバマ氏、米大統領に就任  黒人初、「変革」掲げ

　【ワシントン２０日共同】「変革」を掲げて人種、世代を超えた幅広い支持を集め、昨年１１月の大統領選で黒人初の歴史的勝利を収めた民主党のバラク・オバマ氏（４７）は２０日正午（日本時間２１日午前２時）すぎ、首都ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓し、第４４代米大統領に就任した。オバマ大統領はこの後、就任演説。

　金融危機に陥り、世界経済悪化の引き金となった米国経済の立て直しが最大の課題。大恐慌以来といわれる深刻な景気低迷の中、景気刺激策の迅速な実行を迫られるなど、新政権は発足直後から大きな試練に直面する。

　２００１年の米中枢同時テロ後、初めて迎える米大統領の交代。オバマ大統領は「テロとの戦い」を推し進める姿勢は堅持しつつも、ブッシュ政権時代のイラク戦争に代表される単独行動主義から脱却し、国際社会からの信頼回復を目指す。

　民主党は８年ぶりに政権を奪還。大統領選と同時実施された議会選でも上下両院で大幅に議席を上積みしており、オバマ政権の政策を支える基盤は整っている。

　黒人初の大統領誕生の瞬間を目撃しようと、ワシントンの中心部には全米から２百万人前後が詰め掛け、空前の盛り上がり。警備態勢もこれまでになく厳しく、式典会場やパレードが行われる通りへ近づく際には、身体検査が義務付けられた。

　任期は１３年までの４年間で、再選は１度だけ可能。オバマ氏に不測の事態が起きた場合に大統領職を継承する副大統領は、ジョゼフ・バイデン氏（６６）が務める。