参院予算委員会で、麻生首相に漢字の読み方を質問する民主党の石井副代表(右)=20日午後、河合博司撮影
「われわれは今……、未曽有(みぞう)のいわゆる危機といわれる」。麻生首相が20日の参院予算委員会で、かつて「みぞうゆう」と誤読した漢字を正しく発音し、委員会室がどよめく一幕があった。
石井一氏(民主)への答弁の中で飛び出した。首相は一瞬、間をおき、ぎこちなく発言。後ろで見守っていた閣僚らも笑顔をみせた。
首相は昨年11月、中国・四川大地震について「みぞうゆうの自然災害というものを乗り越えて」とあいさつ。以後、公開の場で「未曽有」を使うのは控えていた。
石井氏は、首相が就任直前に月刊誌「文芸春秋」に寄稿した論文から、「畢竟(ひっきょう)」「窶(やつ)し」などの難しい漢字を抜粋したパネルを用意し、「(論文は)本当にあなたが書いたのか」と迫った。首相は「書かせていただいた。皆さんが読みにくいのは『身を窶し』ぐらいじゃないか」と涼しい顔。石井氏は「じゃあなぜ『みぞうゆう』なんて言うんだ。率直に認めないとまた支持率下がるよ」と皮肉った。
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石井氏が参院予算委員会で示した漢字は次の通り。
(1)就中
(2)唯々諾々
(3)揶揄
(4)畢竟
(5)叱咤激励
(6)中興の祖
(7)窶し
(8)朝令暮改
(9)愚弄
(10)合従連衡
(11)乾坤一擲
(12)面目躍如
(出典 石井一事務所作成)
【回答】
(1)なかんずく
(2)いいだくだく
(3)やゆ
(4)ひっきょう
(5)しったげきれい
(6)ちゅうこうのそ
(7)やつし
(8)ちょうれいぼかい
(9)ぐろう
(10)がっしょうれんこう
(11)けんこんいってき
(12)めんぼくやくじょ
(読みは「広辞苑第6版」から)