証券の売買をするトレーダーは、薬指が長い人の方が向いているらしいことが、英ケンブリッジ大の調査でわかった。ロンドンの金融街シティーで短期取引を専門とする男性トレーダー44人を調べた。今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
胎児期に男性ホルモン(アンドロゲン)が多く作用すると、生殖器や手足の成長を促す遺伝子に影響し、薬指が長くなる傾向がある。
研究チームは、人さし指と薬指の長さの比率と、トレーダーの収益や経験年数などとの関係を調べた。すると、薬指が相対的に長いグループ(人さし指が薬指の93%の長さ)と短いグループ(同99%)の収益の差は1人当たり年60万ポンド(約7800万円)以上になったという。
男性ホルモンは、自信やリスク指向性、ねばり強さに関係するとされ、競技スポーツの能力との関係がわかっている。研究チームは、短期売買に必要な集中力や反応速度に影響するとみている。(香取啓介)