【北京=佐藤賢】中国政府は20日、2年ぶりの国防白書「2008年中国の国防」を発表した。「強大な海軍の建設に努力する」と明記し、遠洋での作戦能力向上など海軍力の増強を目指す姿勢を鮮明にした。海洋のほか「宇宙、電磁空間の安全を守る能力を高める」とも指摘し、宇宙・サイバー戦への対応に重点を置く方針も示した。
日本について前回は集団的自衛権行使などへの警戒を示したが、今回は艦艇の相互訪問などで「日中の防衛関係は進展した」と指摘した。
国防政策では、脅威の多様化に対応して任務の幅も広げる必要性を強調。テロ対策や国連平和維持活動(PKO)も重要課題に据えた。中国は昨年12月に東アフリカのソマリア沖で海賊対策を担うため、軍艦3隻を海南省から派遣した。
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