ここから本文エリア 震度計 故障怖い!2009年01月20日
◆メーカー統合 部品入手難に◆ 県内に設置されている震度計51台のうち18台が、故障すれば修理できない危機にさらされている。現在はすべて稼働しているが、部品メーカーが親会社と統合してしまい、部品が調達できなくなった。管理する県は昨年度から9台を新機種に替え、新たなシステムへの移行を進めているが、今後の整備計画は未定。この季節は故障の要因となる落雷が多く、県は「震度計には落ちないで」と天に祈る毎日だ。 (木村聡史) =県管理18台 更新は未定= 震度計は設置者によって3分類され、県27台、気象庁11台、防災科学技術研究所13台の計51台が県内全域に配備されている。地震が起きると、それぞれの震度情報を共有し、防災の初動体制に活用している。 震度計は90年以降、各地の気象台に設けられ、阪神大震災があった95年以降は各自治体にも置かれるようになった。県内では主に合併前の旧41市町村に置かれたが、07年3月の能登半島地震の発生時に4市町6台が故障していたことが判明。いずれも落雷が原因で、過剰な電流が流れたことで、情報処理する中央演算処理装置(CPU)基盤が不能となった。 ところが、この基盤を製造する神奈川県のメーカーが04年に親会社と統合。親会社を通じて修理部品を依頼しても反応が悪く、事実上調達できない状態になっていた。 そこで県は昨年度から、次世代の震度ネットワークの構築に着手した。2年間で計1億円を投じ、電話回線から通信速度が速い光回線へシステムを改善。19市町の庁舎がある地域のうち、金沢市など気象庁の管理分10台を除いた県管理の9台を新機種に替えた。 電話回線が込み合わず、地震情報を的確に察知できるほか、余った古い機種から部品を調達できたため、昨年4月までに、故障した6台すべてを修理することができた。 それでも修理した6台を含む18台は古い機種のまま。新機種への買い替えは費用もかさみ、今後の整備は「協議している段階」(県危機対策課)という。 ただ、他県の合併市の中には、合併前の旧市町村に設けられた震度計の一部削減を検討している自治体もあるという。同課は「広域の震度情報を得るためにも、現状維持は堅持したい」としている。
マイタウン石川
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