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海賊に武器使用容認へ 政府の自衛隊派遣新法案

2009年1月8日3時10分

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 政府が今国会に提出予定の海賊対策の新法案で、これまで正当防衛などに限られてきた自衛隊の海外派遣の際の武器使用基準を緩和し、初めて海賊を取り締まる目的のために武器使用を認めることを検討していることがわかった。憲法が禁じる海外での武力行使に道を開くとの批判も出そうだ。

 政府が与党側に示した概要によると、新法の名称は「海賊行為への対処等に関する法律案(仮称)」。政府がソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊を派遣するため検討を進めてきた結果、「外国船舶や外国人船員に対する海賊行為に対しても、国内法上、我が国が自ら措置を講じ得ることが必要」として、外国船舶も保護することを表明。海賊行為の抑止・取り締まりに関する検討事項として「任務遂行に必要な武器使用などの権限」が明記された。

 海外に派遣された自衛隊が武器を使用できるのは、国連平和維持活動(PKO)協力法やインド洋でのテロ対策特措法、イラク復興支援特措法では、原則として正当防衛・緊急避難などの例外的なケースに限られていた。

 海賊対策で武器使用が認められれば、自衛隊の艦艇が攻撃を受けていなくても、相手の船をとめるためにエンジンなどの船体を撃つことや乗組員に危害を加えることもできるようになる。

 政府は相手が国ではなく海賊であれば、武器を使用しても憲法が禁じる武力行使にはあたらないという見解をまとめている。しかし、海賊対策とはいえ、武器使用基準を緩和すれば、今後、自衛隊を随時、海外に派遣できるようにする恒久法(一般法)の議論などにも影響を与えそうだ。

 新法ではこのほか、「海賊行為への刑罰」について、「犯人の国籍と犯行地の如何(いかん)を問わず海賊行為への我が国刑罰法令の適用」と「海賊行為の取り締まりに伴う公務執行妨害罪などの適用」も検討する。

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