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【鼓動】カリフォルニア州破産? 「財政赤字」許容なき地方政府  (1/3ページ)

2009.1.19 17:48
バレホ市内に開発されたばかりの新興住宅地には、買い手を探す看板があちこちに揺れていたバレホ市内に開発されたばかりの新興住宅地には、買い手を探す看板があちこちに揺れていた

 底が見えない景気悪化が続く中、「カリフォルニア州の破産」という、一見荒唐無稽(むけい)な事態が起きる可能性が取りざたされている。シュワルツェネッガー知事はこのほど行った年頭施政方針演説で、「このままでは2月中にも、わが州は支払い不能に陥る」と、非常事態を宣言した。だが、同じく自治体破綻(はたん)が問題となっている日本とは、ずいぶんと事情が異なる部分もある。「黄金州」の別名を持つカリフォルニアの金庫事情をさぐった。

(カリフォルニア州北部バレホ 松尾理也)

警官が来ない

 「泥棒が入っても、犯人が逃走ずみなら警官は来ない。それどころか、警察に電話しても応対するのは留守番電話だけだ」

 サンフランシスコ北方約50キロに位置する人口約12万人の地方都市、バレホ。人員削減で閑散とした市役所内で、オズビー・デービス市長は「破産」の厳しい現実を説明する。

 同市は昨年5月、米国地方自治体に適用される連邦破産法第9条を申請し、破綻した。高コスト体質に苦しんでいた同市にとって、サブプライムローン問題は決定的な一撃となった。

 「問題の構造は、多くの地方自治体に共通している」。そのデービス市長の言葉を裏付けるように、昨年末からカリフォルニア州の財政危機が指摘され始めた。シュワルツェネッガー知事は同州が今後18カ月の間に420億ドル(3兆8000億円)の赤字に直面するとの見通しを明らかにした上で、1月15日に行った施政方針演説で「このままでは数週間で州の金庫はからっぽになる」と非常事態を宣言した。

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バレホ市内に開発されたばかりの新興住宅地には、買い手を探す看板があちこちに揺れていた
カリフォルニア経済研究所のスティーブン・レビー所長
バレホ市内に開発されたばかりの新興住宅地には、買い手を探す看板があちこちに揺れていた
バレホ市のデービス市長
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