2009年になりました。ストレージはますます安く、Yahooのようなメールプロバイダは文字通り無制限のスペースをユーザに与えている。でもこれらのメールプロバイダたちは、理由が何であれ、ユーザが数か月ログインしなかったら受信箱(インボックス)の中身をすべて削除するという、古めかしいポリシーを捨てていない。
時限はさまざまで、Yahooは4か月であなたにバイバイ、Windows Live Hotmailは60日、寛大なGmailは9か月だ(もっと完全なリストがここにある)。彼らの多くが執行猶予期間のようなものを設けていて、ユーザのアカウントが不活状態になってもすぐにはデータを消さない。一部は、時限方針を明記しているが、実際に不活ユーザのアカウントに付随しているデータを消すことは滅多にない。しかしそのほかのWebメールプロバイダは、時限を超えたらメールのメッセージ、写真、添付ファイルなど、すべてを、帰り道のない闇の宇宙へ放り込んでしまう。
たとえばYahooでは、無制限ストレージが無料サービスに含まれているので、年額20ドルのYahoo Plus!の料金を強制するためにメール削除の脅しを利用している(下のスクリーンショットにその文章がある)。一体いつから、ぼくのデータが取り引きの材料になったんだろう?
もちろん、サービスは無料だから彼らの側にも利用者に対する商業的義務はない。でもそれは、利用者に大量の広告を見せる場であり、メールのインボックスも実質的には雑多な内容を持つポータルのページになっている。つまり彼らも、われわれユーザを商業的に利用しているのだから、Webメールは決して慈善事業ではない。
スペースが比較的高価だった数年前には、この制限にも意味があった。しかし今では過剰なまでの大きな、あるいは無制限のストレージをちらつかせてユーザを囲い込んでいるのだから、不活のアカウントがいくらあっても平気ではないかと思える。もちろん、ストレージの大きさ以外の問題もあるだろう。たとえば、すべてのアカウントを毎日バックアップしなければならないから、その費用(帯域、処理、ストレージ)もかかる。でも、メールのインボックスのサイズがめちゃ大きいことよりも、ユーザのオンラインデータを絶対に消さないことを売りにしてほしいな。
これはメールだけの問題ではない。今年の初めには、Facebookが不活のアカウントを削除しているという…事実に反する…スパムっぽいチェーンメールが、データの喪失に対する不安につけ込んで広まった。クラウドからのサービスに依存するコンピューティングが今後もますます普及するだろうから、重要なデータ(写真や文書)の命がいよいよますますWeb企業の手に握られることになる。クラウドサービスの企業が繁栄するためには、ユーザが安心してデータをゆだねることのできる企業でなければならない。単に一時的な売上増のためにユーザのデータを人質に取ったり、ひどい場合には消してしまうようなことが、あってはならない。
(画像はFailblogより)
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(翻訳:hiwa)
WEBメールは慈善事業じゃないので、削除も仕方がないでしょうねぇ。
「あってはならない。」って自分の勝手な希望的思い込みで、自分が株主でも社員でもない会社のサービスのあり方を決めつけるようなことは、あってはならない。