<WORK LIFE>
NTTドコモは06年7月、「ダイバーシティ推進室」を作り、女性の活躍を支援する試みを本格化させた。女性のキャリア開発支援▽仕事と個人生活を両立させるワーク・ライフ・バランスの推進▽ダイバーシティ(多様な働き方)の定着--が狙いだ。
ドコモの女性社員は、全社員に占める比率が17%。平均年齢は33・8歳(08年9月末)。出産・育児を控える世代が多く、出産・育児休暇を取得する社員も年々増えている。
携帯電話の機能が充実するなか、利用方法は、人によって大きく異なる。変化の激しい需要を的確につかみ、競争力を高めるには、女性が働きやすい環境を整え、社員の多様な力をはぐくむ必要があった。
推進室は、出産・育児休暇などの制度を分かりやすく解説したガイドブックを製作。円滑な職場復帰をサポートするため、出産前後、担当者に女性社員本人と直属の上司を交えた3人で面談する。
そのほか、女性社員約10人で構成するワーキングチームと共同で、女性社員同士がそれぞれの思いや経験を語る情報交換の場を作るなど、仕事と子育ての不安を取り除く工夫をしている。
推進室が設ける社内ネットワークのサイトは、キャリア形成を考える助けとして、さまざまな部署で活躍する女性の事例を紹介している。ダイバーシティの重要性を職場に定着させるため、全社員を対象に、サイトを使った講習も定期的に実施している。
07年度は、「育児のための短時間勤務」を取得できる子供の対象年齢を、満7歳から小学校3年生以下に延長した。育児支援制度の充実にも力を入れている。【前川雅俊】
毎日新聞 2009年1月19日 東京朝刊