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最終更新:2009年1月19日(月) 18時57分

クローン牛食品と認めるか、議論大詰め

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 遺伝子がまったく同じ生物を、次から次へと大量に生産できるクローン技術。このクローン技術で生まれた牛の肉を、果たして食品として認めるのかどうか。政府の専門家による会議で、議論が大詰めを迎えています。

 元気よくエサを食べる育ち盛りの牛。姿や形だけでなく、食べるしぐさまでそっくりですが・・・。

 牛として人気の黒毛和種の牛、この牛の体細胞からいわばコピーして作られたのが、6頭の体細胞クローン牛なのです。

 体細胞クローンとは体の一部の細胞を取り出し培養したものを卵子に移植し、メスのお腹に戻して出産させる技術です。

 「有用性は、優秀な牛を確実にコピーして増やすことが一番」(畜産草地研 渡辺伸也上席研究員)

 良質な牛を大量に生産できるというメリットがある一方で、体細胞クローンは死産や、出産直後に死ぬケースが多く、牛の場合、一般の出産に比べ5倍にもなります。

 こうしたなか政府の食品安全委員会では、体細胞クローン家畜の食品としての安全性について検討が進んでいます。

 19日の専門家会議では、「従来の牛や豚に由来する食品と比べ、同等の安全性を有すると考えられる」との報告書の案が示されました。この意見が今後正式に認められれば、クローン牛の肉が食卓に一歩近づくことになりますが・・・

 「死産が多いとか、生まれてすぐに死ぬ割合が非常に多いというようなことが、もうひとつ納得できない。もう少し、私たちが納得できる資料を示してほしい」(主婦連合会 和田正江副会長)

 クローンの家畜をめぐっては、アメリカやヨーロッパでも政府や研究機関が安全性を認めながら、実際には流通を自粛しているのが現状です。「食の安全・安心」への関心が高まる中、日本でもクローンについては、慎重な議論と丁寧な説明が求められそうです。(19日15:30)



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