41歳、女性。独身ですが、仕事は充実しており、これから結婚も、できれば子どももほしいと思っています。しかし、最近、いらいらして人にきつい言葉で当たったり、夜中に目が覚めると寝つけないなど、自分でも何か変と思うことが増えました。生理の間隔があいて不規則になり、メークののりも悪いなど「まさか更年期?」と思うとあせりと不安がわいてきます。
同世代の女性の友人は若さにこだわり更年期の話などできない雰囲気で、誰に相談したらいいかわかりません。
最近は「アラフォー(アラウンド40)」という言葉が流行語になるなど、女性の40代はまさに人生の最盛期。ライフステージが長くなる中で、仕事も恋愛も結婚も、ときに出産もと、人生の選択肢をあきらめずに、それゆえに悩んでしまうという40歳前後の女性たちの声をよく聞きます。女性の生き方の幅がそれだけ広くなり、前向きに生きようとする姿勢の表れと見ることもでき、適切な情報を活用しながら、あせらず、あきらめず、自分に合った選択をしてほしいと強く思います。
しかし、40歳に近づくころには卵巣の働きは下降線をたどり始めています。生物としてのアラフォー女性はライフステージとしては更年期へと足を踏み入れているのも事実です。いらいらする気分や不眠、月経周期の変化などは、ひょっとしたらそうした変化の表れかもしれません。だからといって、いたずらに不安を膨らますのではなく、自分自身の現状を把握し、総合的に健康を維持していくための相談相手となってくれる信頼できる医師をみつけておくことが、迷ったときの支えになると思います。
最近は、女性が受診しやすい工夫をしている女性外来や女性クリニックも増えています。体調の変化に気づいたら、1人で悩まず、上手に受診して健康を維持し予防していくヘルスケアの視点をもつことが、いずれ迎える更年期を怖がらずに上手にコントロールすることにもつながります。また、この時期には女性は精神的にも不安定になりがちですが、からだと心の両面から相談にのってくれる婦人科医もいるので、情報を調べてみるのも方法です。
子宮がん検診や乳がん検診を定期的に受ける、骨量測定や血圧、コレステロールなどの血液検査は結果の説明をよく聞いて生活習慣の見直しに役立てる、必要に応じて女性ホルモンの値を測定してもらう、用途の幅が広がったピルや、薬剤の種類が増えているホルモン補充療法についても質問して予備知識を蓄えるなど、よい患者-医師関係をつくりながら、知的に前向きに40代からの人生を充実させていってほしいものです。
回答者:安井禮子(NPO法人「メノポーズを考える会」更年期相談対話士、医療・健康ジャーナリスト)☆NPO法人「メノポーズを考える会」の電話相談(03・3351・8001)火曜・木曜の午前10時半~午後4時半。
2009年1月19日