2008年06月30日

細工しはじめました

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今日から細工物の週。

 飴細工だけかと思っていたら、パスティヤージュも、クロッカンブッシュもするみたい。どちらにしろ食べられるものはないの。(皆のかなり大きな関心事)

 今日はウェディングケーキの土台作り。
 それぞれ1台ずつ大きな土台作り。

 あまりに大きいからそれを床に並べておいたところ、あろうことか、蹴飛ばしてしまった私。私のをけとばせばいいのに、豪快に飛んでいったのはシェフのでした。

 ・・・・(時がとまる)
 先生というより完全に職人の今週のシェフ。
 去年のヨーロッパの飴のチャンピオン。
 英語が全く通じず、丁寧に謝りたいのに謝れない。

「大丈夫だよ。キレイに直してくれたら。。フフフフ。」

 というプレッシャーの中、ゆきおの持ち合わせのもの全てを総動員してがんばりました。げっそり。

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 夢中で作っている間に今日はおしまい。
   
Posted by yagihana at 13:51

2008年06月29日

日曜日のいのり。

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 今日はソフィア(クリスチャン)が通う教会でハンドベルコンサートがあるというので、一緒に連れて行ってもらいました。

 セーヌ川に沿った、こじんまりとした素敵な教会。

 ハンドベルとパイプオルガンの音色が体に響く中、夕方の光がステンドグラスから
差し込んできて、隣には大好きなクラスの仲間がいて。

 時が止まればいいのになあって思ってた。
 何度も何度もこの景色を思い出すだろうって思いながらそこにいたよ。

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 2階にもドーンとしたステンドグラス。





 「せっかく教会にいるから心こめて祈ろう」ってソフィア。
 「由紀のお母さんが早くよくなりますように、にしよう」って言ってすぐに真剣に祈りの顔になったみんなを見て泣けたよ。本当にありがとう。

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 近くにはボルドーのカヌレ専門店、ルモワン

 間違ってその近くの大行列!のお店で、カヌレを買っていたら、隣の隣にこじんまりとそのお店が。みんなの分も買って食べ比べ。

 専門店ってすごく惹かれる。
 それしかないけどそれはあるってところ。

 よくカフェを開くにあたってメニュー作りなんて手伝っていた時期もあるけれど、いつも私は種類を増やすんじゃなくて質を圧倒的に良くした方が人は来るよって、だからメニュー増やさないでスペシャリテを作ったらいいと思うよって言い続けていたけれど、結局何でもあるメニューになって世の中へ。

 絞るのって、減らすのって、怖いって気持ちもすごくよくわかる。
 経営者だったらなおさらだろう。

 そういうのいっぱい実感したけれど、私は私にとっての「それ」を見つめ続ける人生にしたいな。私にはできない、ほとんどの事は、それが得意な誰かに任せて、旗をふって応援してる。  
Posted by yagihana at 14:37

2008年06月28日

みんなでスカイプ。

「由紀がパリにいる間にみんなでスカイプしよう!」

 ってふみちゃんの優しい提案にみんながマイク買ったりスカイプダウンロードしたりしてくれて今朝、時間を調整しあってついに実行!!

 他愛もないみんなとの会話が楽しくて懐かしくって泣けたよ、ありがとうぅぅぅ。
 メールもいいけどやっぱり、声。そしてやっぱり顔・・。会いたいな。

 ロンドンの時もそうだったけど、私はこんなに大事な人たちが心のど真ん中にいてくれるから、その場で1人でも全然さみしくないよ。逆にそういう存在がなかったら、その場その場で人に出会い続けても私は淋しくて生きていけない気がする。

 大事な人がいるからここにいよう、
 ではなく大事な人がもういるんだからどこにでもいけるなって思える。自由をもらっているなあって、そして自由を感じてもらえたらいいな。

 仲良しなんだから、自分だけのそばにいてね!!って関係からはダッシュ!
 本当に仲良いなら囲われなくても、約束しなくても、ずっとそばにいるよ。

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 パリ、夏のソルドがはじまりました。街はすごい人!!
 今回、フランスで自分に買おうと思っていたもの。

 お菓子の道具、レペットの靴、エルメス。
 私からエルメスなんて言葉は知っている人は皆驚くだろう。

 ブランドに興味がないわけではなく、時期を待っていただけなので興味はあるのさ。でもエルメスだけ。

 でも今回直面して実感!!私にはまだでした。
 今はまだ内面に投資の時期。
 もっと色々見たり聞いたりする事に使いたい。

 レペットはフランスでも大人気。お店もすごく可愛い。
 でも私みたいに買い物慣れしていない人はセールにきたからって圧倒されて皆の背中を見つめて帰るだけでした。

 今日も葵さんに会いました。
「会えてすごい嬉しい!」っていつも伝えてくれる、その圧倒的な素直さに感動し続けてる。私もすごく嬉しいよ、ありがとうね。(恥ずかしいのでここに書いちゃう。)
  
Posted by yagihana at 14:56

2008年06月27日

チョコレート工場へ

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 今日も見学の日。
 朝早く集合!は人を浮かれさせるよね。

 タバコを吸いに行った隙に鍵をかけて喜ぶエンリッキー。
 頭突きでゴンゴンやってるひさしくん。いつもの光景だ。よく飽きないなあ。

 遠足に行く車の定位置。私の目の前にひさしくんの坊主頭。
 ついつい触っては「やっぱり気持ち悪いね」なんて感想をもらしては怒られる。
 
 今日はチョコレート工場へ。
 あたり一面がチョコレートの匂い!!あまい!
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 カカオバリーの工場。
 普通は企業秘密で絶対に工場の中は見せないということで。

 全員カメラも没収で、シャワーキャップかぶらされて、アクセサリーも全部はずし、全身をビニールで覆われ、一同、小人みたいな格好になって(そんなに愛らしくないけど)ぞろぞろと中へ。

 「チャーリーのチョコレート工場・・」の図をあまく思い描いていました。
 チョコレートがドロドロと流れ、そこかしこに小人が歩いている世界・・。飛び回るミスターウィリーウォンカ・・。

 現実は全て太いパイプの中で行われていて、パイプしかなかった。
 これじゃ私達が小人みたいな格好しなくてもいいじゃないか!

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 学校も併設されています。
 美しい自然の中に可愛い建物が。

 先週のVIRONもそうだったけれど、ただ商品を売って終わり、ではなくて、自社製品の使い方を徹底的に伝えたり、購入した後もアフターケアを徹底的に行うシステムがいいな。

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 そしてカカオバリーの目玉。
 自分だけのオリジナルのチョコレートを世界中の豆から配合して作って名前をつけることが出来るというラボがあります。(ただし500キロから)

 ちょうど、そこに自分の妻の名前をつけたチョコレートを作った人のチョコレートが。

 うぅむ。オリジナルの波がここにも!

 私の中には、「誰とも違う私!」って気持ちもなければ、「みんなと一緒じゃなきゃ」もないよ。でも、私だったら今持っていないものでオリジナルを生み出そうとは思わない。今、私が持っているものが私の全てだからそこから何か生み出せるならそれが私のオリジナルって考える。

☆☆☆

「今週はきっとチョコレートのお土産が!」
「どうする、カカオバリーって書かれた重いキーホルダーだったら・・」

 なんて盛り上がっていた今日は何もなく・・。
 体中に染み付いたチョコレートの香りがお土産でした。しくしく。
 

   
Posted by yagihana at 02:29

2008年06月26日

尊敬のきもちは。

 土曜日にお会いした葵さん(毎週会ってる)から借りた恩田陸さんの「三月は深き紅の淵を」と「麦の海に沈む果実」が、面白いし怖いし止まらなくってここ2日すごい寝不足。

 でもようやく夏がきたパリの空はびっくりするほど毎朝青くて、その青さに励まされて家を出てる。こんなに環境に恵まれて、幸せを実感しまくると同時に毎日、またエプロンをきゅっと腰でしばってはじまる1日の長さを思って逃げ出したくなる時も。

 でも出発の直前、アイポッドをいくつも持っているくせに(結婚式などでよく当たる)いまだに使い方を知らないローテクノロジーの私に、

「音楽は絶対に必要だよ。いつもじゃなくても必要な時があるよ。」

 って、すごく大事にしている自分の、大切な音楽がぎっしりと詰まったアイポッドをパッと、迷いも無く渡してくれた優しさを思い出す。あの、迷いの無さ、私は一生忘れないだろう。

 その時に「この歌、結構近い気持ちなんだよ」って教えてくれたドリカムの「またね」。そして大切な親友が前に伝えてくれたドリカムの「proud of you」。

 自分が1人で挑んでいるような勘違いしそうな時、いつも聞いて、励まされて、上を向いて歩いてる。ありがとうね。

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今日も朝から飴。
 まずお手本を見せてもらってからそれぞれ取り掛かります。

 「プラティック、プラティック、プラティック!!」というシェフの声が響くよ。
 ひたすら練習、秘密はないんだよ、ってどのコースを受けていても何度も何度も言われる言葉。

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 ヘーゼルナッツでプラリネを作ったものと、ラズベリーピュレを煮詰めたものを入れました。飴って美しいのだなあってしみじみ。

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 楽しくて止まらなくなった結果。

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 今日のランチは、トレトゥールのクラスが作ったお惣菜。

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 ワインをあけて、美味しいバゲットを買ってきて、もちろんデザートには美味しいケーキがそれぞれに配られて。




 フランス人って本当にフォアグラが好き。
 まずフォアグラにダッシュする人たち、フォアグラだけ空っぽになったお皿を見て、そしてクラスメイトからも

「由紀はフォアグラ手にした?ない!半分あげよう。仕方ないけど、うむ。あげよう!」

 と全員からフォアグラチェックが入ってしみじみ思う。

 でも好きじゃないんだよね。私の胃がいつ消化したら?っていつも困るのを感じる。私の数少ない、どうしても苦手な食物のひとつ。

 そんな事を言うと、みんなムンクの叫びみたいな顔するけど。
 そして1番遠くにミュロさん・・。

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 午後は私達もプレゼン。
 全て袋につめてあるから華がないプレゼンでした。

 暑くて甘い一週間。でも楽しかったな。

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 また最後にカクテルで乾杯!
 そして、ついに。

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 ミュロさんと。合成じゃないのさ。

 
 反対側に、ギャラリーが大勢いて「ウララー!」(フランス人の口癖)なんて言いながらみんな見ているのですごーーーーーくやりづらい撮影でした。

「笑顔がかたすぎる!」
「由紀は好きな人の前ではこうなるのだなあ」なんてみんな好き勝手言う中でがんばりました。

 尊敬する人を目指したりはしないよ。
 私にとっての尊敬は、その人に恥ずかしくない自分になりたいという気持ちだ。  
Posted by yagihana at 20:18

2008年06月25日

今日もおかし。

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マシュマロを手でもてあそべるのは作った人の特権。
 本日1番の癒しのひと時でした。

 そして赤・緑・オレンジ・黄色のプラリネも。

 コンフィズリー、バラエティに富んでいて面白いかと思いきや、種類は色々作れても基本的なつくり方は全て同じで、やたらに時間がかかるのも特徴なので、何度も何度も同じ作業に向き合ってる。体にしみこんでいくような作業だ。

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 キャラメルはバニラ・塩バター・チョコレート・ラズベリー・ナッツの5種。
 飴も大量に作りました。

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 お酒のかなり聞いたチョコレートボンボン。
 ここにいるとチョコレートのテンパリング作業は毎日のようにあって、

「あ、私チョコレート扱うの苦手ッス。細かい温度管理とか誰か好きな人にゆずるッス!ウス!」

 なんて言ってられず、それがかえって長年の苦手意識を克服するのによかったな。

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 ロンドンのコルドンブルー以来の再会。
 今日は5年ぶりの飴細工も。




 はまりにはまって、この飴のランプ台を買って帰るか本気で迷った飴細工。

 この手は全て忘れていました。(涙)
 でも来週から飴細工の週になるので本当に楽しみ。

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 今週の、短期コースはチョコレート、アントルメ、お惣菜でした。
 小さな学校で、たとえ3日間でも毎日顔を合わせて話すので、水曜日は皆が終わって淋しいよ。

 でも最近、街を歩いている時、ケーキ屋さんに入った時、見知らぬフランス人の男性からすごい勢いで話しかけられる事が多くて、それもすごい速さのフランス語だから、びびっていると、言葉の中に「ベルーエ」という言葉が。

 皆、ここで単発に来ていた方たちでした。
 みんなつながっているんだなあって思うと本当に心強いよ。

 ちなみにミュロさんのとっているコースは明日まで。
 明日は皆一緒にお昼を食べます。ふふふ。
 皆が、英語が通じないミュロさんだからと、私用にフラ語の台本まで書いてくれたりして、なんかやたらおっせかいで、勝手に盛り上がっている感じが中学生みたいだ。  
Posted by yagihana at 12:00

2008年06月24日

憧れ。

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 この学校にはお菓子界の有名なシェフたちも生徒としてたくさん訪れます。

 でも今までどんなシェフに会っても、パリのお菓子界のスーパースターであるミシャラクが先週ずっと来ていた時も、「フーン」という感じだったけれど、今朝、「あれ?あれはもしかして・・」と大興奮してしまう方が。

 (面識も無いのに)何年にもわたって大好きで、とても尊敬しているジェラール・ミュロ。

 大きな宣伝や派手な動きではなく、その生み出すもので有名になり、今でもパリでトップクラスに人気のあるお店、「ジェラールミュロ」。

 どんな分野においても、類稀なる才能を発揮するスーパースターのような人よりも、静かに、穏やかに、あふれる情熱は人に見せるものでも語るものでもなく行いで見せ続けるような人。私には到底できない偉業だなあって、そういう人に憧れます。

 同じく他のシェフにはクールだったクラスメイトも皆大喜び。
 学校のシェフも皆嬉しそうで、ここまで同業者に尊敬され、愛されている方も他にいないんじゃないかなあ。

 これ以上何を習うのだろう、と思うと同時に彼ほどの人もまだ学び続けている過程なんだなあと思うと果てしなさを感じてワクワク。

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 曲がりなりにも(曲がりすぎか)2ショット。ドキドキ。







 みんなに直接とりなよ!って押し出されて、いやいや、今はだめだよ!って戻ってきたり。

 お化粧してないし、顔テカテカだし!
 でも気になってチラチラ見てしまって。青春のよう。

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 1日上機嫌に。
 超固いヌガーだって、ふんふん切ってく。(お昼休みなのに)

 


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 余ったマシュマロの生地でカエル。


 今日も必死だったいい一日。
 シェフの情熱に、素直に動かされるみんなも素敵だなあってしみじみ。

「休まずやって、全部終わらせたら他のものも教えてもらえるかもしれない!」

 なんてみんながそれぞれに超集中して取り組んでいる、その理由もなんだかいいなあって思うし、いくらでも惜しみなく与えてくれるからこそ思える事だなあと、この環境に感謝。

 その中にいても、常に傍観者の自分がいるのは昔から。
 いい環境にいる時は思い切り有難がって、悪い環境にいる時は、悪い環境だなあって、それに気づいている事が大事だって思うから心は静かになってる。 

 今、投げ手と受け手の気持ちのレベルが同じところに。
 そういう時、世界はひろがるひろがる、よねきっと。

 ☆☆☆

 今日、ちょうど息切れしたところに、たけさんから「撮り立て堀シェフです!」とまたまた堀シェフ画像が。ふふふ。ありがとうたけさん!超元気になりました。  
Posted by yagihana at 05:23

2008年06月23日

限界の少しだけ先。

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今週はコンフェズリー。小さな砂糖菓子などたくさん作ります。
 今日はさまざまなヌガー、キャラメル、ギモーブ、フルーツ菓子など。

 今週から、シェフがベルーエの校長先生でもあるジャン・ミッシェル・ペルシヨンに。20歳すぎにMOFとなって、それから30年近くも現役でトップに立ち続けている、技術も人柄もずば抜けている方。
 
 説明も恐ろしくわかりやすく、情熱的で、朝から晩まで一気に作り続けて気づいたら1日が終わりました。銅鍋で高温で炊き上げていくものが多くてやけどもたくさん。

 でも「最高の1日だったね」ってみんな顔をテカテカさせながら大満足。
 楽だから楽しいわけじゃない。

 私は基本的に超怠け者だし、誰も見てなかったらいつまでも床でゴロゴロ転がり続けたい派(他にいるのかな)だけど、こういう1日を過ごすと、も少しがんばってみようかなって思う。自分が限界だと思ってるあと少し先まで。  
Posted by yagihana at 04:48

2008年06月21日

見学の日。パリを想う。

 
 金曜日は2度目の社会科見学。
 シャルトルにあるVIRONの工場へ。

 日本でもここの粉を使ったパン屋「VIRON」が有名だけど、パリでも、ここの粉を使っているという事がすごく重要視される会社です。100パーセントフランス製。

 でも・・みるものが粉というだけに皆の気持ちがどうしても盛り上がらず。
 ひたすら、見つめるものは、粉、粉、粉・・。
 いつも大騒ぎのみんなが、すごーく静かでした。
 
 最後、「おみやげがあります」という事でにわか盛り上がる。
 焼きたてパンかもね!と皆でドキドキしていたら、VIRONと書かれた重いキーホルダー。

 また静まってしまった。
 でも、施設も、衛生管理も、本当に素晴らしかったです。(付け加えみたい)

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 そんなわけで全然疲れなかった金曜日。






 元気がありあまっているので、夕飯の約束前にパリのパッサージュ巡りへ。

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 一つパッサージュを抜け出すと、すぐ正面に他のパッサージュがあったりして。
 歩きながら過去にさかのぼっていくような気持ち。

 「パリ好きになった?」

 って最近よく聞かれるけれど、慣れて、苦手じゃなくなった、という位です。
 物価が高すぎて買い物や外食にもいちいちドキドキしなきゃいけないのも悲しいし、学校の事しか考えられないからパリにいるという気がしない。

 帰国する事を想うと切なくて泣いていたロンドンを思うと大違いだ。

 いつも人に例えてみると理解できるよ。私はイギリスに20年も恋してる。
 他の人の素晴らしさもわかる。どうしても好きな人がいるだけ。どうしようもなくその人に安らぎ、胸焦がし、毎年のようにそばに行って深呼吸。

 なぜ、そんな事を想ったかというと、今日から友達がロンドンに旅行に行くという事で見送りつつ、どうか少しでもよく想われたい・・という切ない気持ちと、自分さえ好きなら人にどう想われようといいじゃないか、という気持ちに襲われていたから。

 まあこんな事考えているという事は体力が余っているという事。
 体力があり余っているのは久しぶりだなあ。わけもなく皆でダッシュ!! 皆、元気いっぱいで上機嫌。あたたかい夜でした。  
Posted by yagihana at 02:11

2008年06月20日

私のものがたり。

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 後半戦。
 
 それぞれ作ったアイスや土台やソースなど全部出して、「さあ、あなたの物語を作って」なんて言われるので相当難しくて。ただきれいに作っても、「で?テーマは?」なんて言われるのが苦しい。

 でもいちいち終わると拍手しあって、おじぎして。なんだなんだこの時間は。
 
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 でも同じ材料でここまで違うお皿ができるんだなあと本当に勉強になりました。

 でも今まで、途中でみんなやめていたのに、最後までそれぞれが取り組んでいたのはこのクラスが初めてだよって言われて、少し嬉しかったのでした。

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 あまり美味しそうに見えないグラスデザートも。

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 美味しくて楽しい1週間。
 最初は説明が全く無い授業にどうしようかと思っていたけれど、慣れてきて、それぞれ勝手に盗み見て勉強。

 「技術はすごいけど彼らは少年です」

 って最初にやすみさんに教えていただいた事を実感・・。
 大人、を期待しなければ本当に気ままで愉快なシェフとの楽しい時間でした。

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 合間にスフレもおまけで。
 グランマニエのスフレとパッションフルーツのスフレ。

 センスがもっともっと必要だなあって実感。
 美しいものをもっともっと見ていきたいな。何を見るかって、何を食べるのかと同じくらい自分で選べると思う。
   
Posted by yagihana at 15:08

2008年06月18日

パリの家族。

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息子達はお昼になったらいそいそと料理をはじめる。
 メニューはハンバーガーと野菜炒めと、水餃子と韓国ラーメン。

 お昼休みの時間、とかバランス、とか適当な量、とか、デザートの週なのに作業台に飛び散る肉汁、とか深い事は考えない。ものすごーいおおらか。

 娘2人は、持参したサンドイッチを食べながらその光景を「また始まったね・・」なんて言いながら見物してる。私達が食べ終わった頃に、大量の料理が届いて、

「君達も食べてくれると思ったからこんなに作ったんだから」と脅されてまた食べる。

 母は、そんな彼らを見守りつつ、彼らが汚しまくったお皿や調理台を、深いため息をつきながら静かに掃除しています。

 あ、エンリッキーが立ち上がってソフィアの近くへ!
 やっと手伝うのかな、と思いきやアイスやソルべを出してきて食べまくってる。

 これが私のパリの家族です。
 みんなの母はソフィア。あとは子供ばかりで父親のいない家庭だ。

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 エンリッキーとひさし。



 デザートのプレゼンは、それぞれが同じ材料を使って違うプレートを作ってる。
 みんながじーーっと見ている前で緊張するのだけど。

 粉をふるいながらそれを耳に挟んで満足げだったエンリッキーは、今度は作業している人の耳に挟んで大満足、の図。

 こう見えてもみんな実はすごい人たちで、そしてもう三十路なのに。
 ここにいると、余計なプライドとか何も必要ないんだなあって最初の頃のきばった彼らを思い出して嬉しくなるよ。(いつもエンリッキーなのは女性陣は顔を出したくないという事だからです)

 日本の家族からは、

「競馬でユキちゃんっていう馬が圧勝して大喜びの私達!!」って平和なメールが。昔、ピンクの美しいめだかを買ってきて「こゆきちゃん」なんて名前をつけたら、2日で死んだ、という幼少時の悲しい思い出を思い出しました。

   
Posted by yagihana at 02:06

2008年06月17日

デザートたちよ。

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今日は前半のプレゼン。
 いつものように、ドーン!と見せ場はないけれど、それぞれ仕上げて、食べて、贅沢なひと時。

 エルメのシュープリーズをならいに行った時を思わせるメレンゲの丸。 
 その中にバニラとグリヨットのマーブルアイスクリーム、あつあつのグリヨットのソース。

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 デザートの王道フォンダンショコラ。
 美味しいから王道になるんだな。チョコのソルベが絶品!

 そして、オレンジのチュイル、ピスタチオのダックワース、ピスタチオのムースとマンダリンのソルベを入れた一皿。中にたくさん果実も入ってて、素敵な美味しさ。

 作っていると、チュイルの穴という穴からムースがもれてきて恐怖の図!

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 キャラメル尽くしの一皿。
 塩バターキャラメルアイスが最高でした。

 私は塩1グラム、をえい!と入れたら5グラム投入してしまったのでドキドキしていたけれど、なかなかお見事な塩味で大満足!1グラム、のところをピッピッと消して5。と勝手に書き直すのでした。

 そしてピスタチオとマンゴ尽くしの一品も。

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 レグリゼ(甘草)のアイスに、スパイス漬け洋ナシのコンポート、薄くスライスしたパンデピスのデザート。

 極めつけのパスティス風味の洋ナシ。
 スパイス尽くしにクラクラする私の横で「うまい!」と大感激する人もいて。

 万人には受けなくても誰かにメガヒットするもの。
 本でも歌でもケーキでも、誰かに捧げられているんだなあって感じるものが好きです。

 でもそれを生み出すにはやっぱり基本が必要で。応用の仕方も必要で。
 だから学び続けたいよ。
 手にしたいのは、ピンポイントでつかむ為の広い視野。

 狙った獲物は逃さないよ。なんて。逃してばっかりのゆきおだ。
 目に見えるものへの執着心と、自信が足りない。というか、ない。

 お菓子はいいよね、1人で、誰とも戦わず、誰をも傷つけず、時に喜ばれ、一人でのびのび追求できるから。人と比べたり、順位をつけたりってのが生きていて1番苦手な分野だから、この世界で空気みたいに気づかれずにいたい。

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 細いなぁ。もう一本!と思っちゃう。

 一番最初の頃撮ったみんなの写真を見てびっくり。明らかに皆太ってて衝撃!
 「みんな変わらないよね」なんて言い合ってたのは、毎日ずっと一緒にいて、一緒に太っていたからだったのですね。

 パリに夏がこない。さ、さみしいし、さ、さむい。  
Posted by yagihana at 14:43

2008年06月16日

デザートの週へ。

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 今週は皿盛りデザートの週です。

 デザートって色々なパーツを盛り込めるし、出来立てをすぐに食べてもらえるし、新しい素材や組み合わせに挑戦しやすいし、すごく興味ある分野。ケーキ屋さんのケーキよりもレストランのデザートにヒントをもらう事の方が多いよ。

 今日は1日、アイスやソルベ、土台やチョコレート細工の準備を。
 明日、最初の8皿のプレゼンテーション。

 でも先週からフランス人の若いシェフに代わり、何の説明もなくすごい早さで割り当てられて、自分が何の為の何を作っているのか、他の人は何をやっているのか、が分からなくてストレス・・。

 先週も楽しくなかったのは、(そして美味しくもなかった)のは、みんなの心がバラバラになったものを無理やり形におさめているからだろう。

 早く終わらせたいわけじゃないのにね。ってみんなでいいながらも追い立てられるように必死で作っています。

 悪い人じゃないんだけどね、って人にいちいちいわれる人っている。
 でも、本当に悪い人じゃないんだよね。ぶつぶつ言いながら、困りながらも、これも思い出だねってソフィアと話しながらよれよれの体をつれて帰る時間はやっぱり幸せな時間だよ。  
Posted by yagihana at 14:16

2008年06月15日

世界一好きな美術館。

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 小学生の時からずっと、世界一好きな美術館はオランジュリー美術館で不動!
 だったけれど、ここに来てその順位が変わりました。

 パリの端っこ、16区にあるマルモッタン美術館。

 こじんまりとした上質な美術館自体も本当に素敵なんだけど、駅から公園の中を通っていく道もすごく素敵で。この道に幸せな思い出が詰まってる。

 予定のあいた日曜日の朝。
 そうだ、マルモッタンいこう、って心に思い浮かんで嬉しくてホクホクしながら向かう幸せよ。

(よくガイドブックには10時オープンとあるけれど、実際には11時、そして入館料は9ユーロに値上げされています。パリのあらゆるものが目を一瞬離した隙に値上げされてる気がする。)

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 モネ好きにはたまらない美術館。
 印象派、の名前の由来となった「印象 日の出」も。一度この美術館から盗まれて以来、一切貸し出しがなくなったのでここでしかみられません。

 でもモネだけではなくてルノアールもシスレーもマネも、そしてモリゾの絵もふんだんにあって。
 
 あらゆる意味で愛を感じる美術館です。
 ルノアールの描いたモネやモネの家族のポートレートなんかからもそれはひしひしと。あと何回いけるかな。

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 歩いてて、ひょいと見えると心が落ち着くエッフェル嬢。パリのお嬢様だ。
 今日もきれいですね。(っていいたくなる)

☆☆☆

 さて。大根を食べたくなって。
 ひょこひょこと日本食のお店、「かなえ」に向かったら、いくら探しても見つからない、って思ってたら「さゆり」に変わっていました。

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 バゲットかと思わせておいて・・大根!ふふ。パリではばれまい。

 今日、遅ればせながら初・動画つきのスカイプ体験。
 心がぐんぐん満ちて幸せな夜だった。好きな人の顔や声にはいつもすごい力。明日からの1週間、余裕だなあって心強く思うよ、ありがとうぅぅ!!

 人々が大騒ぎして、落ち着いて、静かになって、みんな忘れそうになった頃にいつも気づいて大騒ぎ!の私は今頃スカイプに大興奮。

 そんなわけで今頃、劇団ひとりの「陰日向にさく」を読みました。(ブックオフで2ユーロ)面白くてびっくり!  
Posted by yagihana at 01:46

2008年06月14日

父。

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元気を出すべく好きな事づくしの土曜日にしよう!と決めた。
 
 モンパルナスのマルシェへ。ピカピカのチェリー売り場、みんなが大行列!しているので私もワクワク後につきました。

 大好きな葵さんとデートして心から安らぐよ。いつもありがとう!!
 パリのカフェ、なんかじゃなくてただのスタバが恋しくて。

 一杯700円のカプチーノ。
 マルシェだって値段は紀伊国屋。
 パリの物価の高さに加えてユーロが170円に・・しくしく泣いてる。

 夜はソフィーの家で一緒にタイカレーを作って、食べました。

 私は今回の留学も、お菓子を学びに来たんだから人付き合いなんてしている余裕はないからずっと1人でいいよって本気で思っていたんだけど。

 この学校で出会った仲間は本当にあたたかくて、この前少し落ち込んでいた時に次々に皆のハグを受けて泣いてしまった。泣いたから「おお!」とより一層強くハグをくれたけど、違う違う、嬉しいんだよって心強いんだよって何度伝えたけど足りない。

 言葉が気持ちに追いつかない幸せよ。
 
★★★

 父の日に父の好物あわびを。
 ずっと前にとっておきだって話してた「伊勢せきや」
 
 そうしたらロンドンの兄夫婦もアワビを贈っていました。ふふふ。お祭りだね。

 「どうして2人は僕が1番嬉しいもの分かるんだろう!ってパパが大騒ぎだったわよ」なんて母が教えてくれたけど、そりゃ長い間子供をやってたらわかる。

 まだあまり動けない母の為に父が一生懸命色々やってくれるのよって聞くたびに心強いなあってしみじみ。不器用な父が、母の為にとなると「一生懸命!」「必死!」の図はすぐに目に浮かぶもの。

 娘の私にはいたって普通だし、大事に思ってるとか好きだとかそんな事人生で1度もいわれた事ないけど、ものよりも経験をって、とにかく本物を、って惜しみなく伝えてくれたもので今の私はできてるよ。
 
 ロンドンへの転勤の時も、小学生の私にまず「君はロンドンに住みたいかい?」って突然聞かれた朝の事、今でも覚えてる。

 到着してしばらく、私と兄がロンドンを好きになるようにって、毎晩ミュージカルやオペラ、マジックショーやサーカスのチケットをとっておいてくれたことも。休みが取れる度にヨーロッパを巡った事も。

 2年間、頑張ったら最後に何でも好きなもの買ってあげるね、って生まれて初めて(そして最後だった)そんな事いわれて。最後にはクマの大きな人形を買ってもらったことも。

 私は幼かったけど全部全部覚えているし、自分が年を重ねるたびに、父のすごさを実感するよ。
 
「ありがとう」コールをしようと思っていたのに、父から「あわびありがとう」コールをうけて、「いやいや」なんて言っている間にありがとうをいい忘れてきってしまっった。いつも本当にありがとう。

☆☆☆

 そして「今日は突然陽子ちゃんとひで君が美味しいパンを抱えて来てくれたよ。」って聞いてびっくりしたよ。陽子いつもほんと、ありがとね。  
Posted by yagihana at 00:22

2008年06月13日

考えてた人。

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 少しブログをお休みしている間考える人でした。

 精神的にきつい事があって、今までで1番つらい一週間。
 人にも環境にも恵まれているから原因は自分にしかないなあって思うからこそ、しんどかったけれど、自分次第だって思うと楽にも思えて。

 相談したわけでもないのに、この1週間は大好きな人たちの優しさにたくさん救われました。本当にありがとう。念を送ってくれて、いっぱい祈ってくれて、声を届けてくれて、全部受け取ったよ。

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 考える人は鍛えてる人でもあります。(後姿でわかる)
 かなり前かがみで椅子からずり落ちそうだけど、その筋肉で支えているので大丈夫。



 ロダン美術館は、庭が本当に気持ちよくて大好きな美術館のひとつ。
 庭園だけなら1ユーロで入れます。考える人を前にボンマルシェで買ったサンドイッチとりんごをかじったり。ゆきおは学校の後に飛んでいったりするから閉まる前、いつもただで入れてくれます。

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 去年はこの季節、たくさんのバラ園にいったけれど、こちらでも。
 ブーローニュの森のバガテル公園のバラ園へ。

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 くじゃくがペタペタ歩いています。
 ウヨウヨいてみんな「ギャーギャー」鳴いていて怖いので、道をゆずったり、糞をよけたり、大層気を遣いながら歩きました。

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 私の住むアパートの隣にある素敵なお花屋さん。





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 大切な人の大切な日に。すなわち私のとびきり大切な日に。
 1人でお酒まで飲みに。へへ。人生初1人酒。人生初1人乾杯。忘れないよ。
 いつも本当にありがとう。

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 今週はトレトゥールというお惣菜の週でした。
 お砂糖やチョコレートと1週間だけ離れて、完全に料理の週でした。

 今、私にできる事は目の前にある事に向かい合う事だけ。
 よけていく事もできるけど、正面から向き合わないと小さなずれは積もり積もって、大きくずれて。最後に空しくなるのは自分だって知ってるよ。

 ついた場所が目的地!は私の合言葉だけど、それは着くまでの過程はどうでもいいって事じゃない。むしろ全ては過程に。

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 うおぅぅ!と自分に喝。  
Posted by yagihana at 03:15

2008年06月06日

ジェニファー。

今日はテスト。
 8時にスタートして12時の終了の合図で終了するというもの。

 今まで作ってきたもの(多すぎる)の中からいくつか出しますって言われていたので復習しようかなあって思っていたのに、やっぱり「よし!私にできる事は早く寝て体調と集中力を整えておく事だ。」と結論付けて9時には寝てた。学生時代から本当に人って変わらない。(テストの時ほど早寝。)

 それぞれにキッチンエイド、コンロ、はかりが支給されていざ!
 その後の事はよく覚えていません。

 4時間はだいぶ時間があるなあって思っていたけど皆ギリギリでした。さすがジェニファーって作りながら感心しちゃう、色々な技術の積み重ねが必要なケーキでした。でも楽しかったな。

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 この日の為に、私とソフィアでジェニファーの好きなお花をさりげなく聞き出して準備していた花とカード。

 カード一つにも文化の違いを感じた今日この頃。
 名前だけ書こうとする皆に、ゆきおは立ち上がって熱弁!

 文章が下手とかそういうのどうでも良くて、あなたは名前だけのカードより、短くてもそれぞれの文章が書かれている方が嬉しいでしょうが!!

 握りこぶし!の私の為にみんながメッセージを書いてくれました。ふふ。

★★★
 
 まだまだ男性社会のフランスの料理界。
 その中で、指名されてヒラリークリントンの誕生日ケーキを作りにアメリカに飛んでいったというすごさ。

 何よりもベルーエの教師になるという事は世界中のプロの為の教師だから本当にその世界のトップの人ばかりの中で唯一の女性教師になるというプレッシャー。

 ここまで穏やかでフェアな愛情深さを持ち続けるしなやかな強さ。

 本当に尊敬します。
 私達はものすごく尊敬して、それ以上に大好きで、今日もみんなボロボロだったけどこれからもこの小さな学校で毎日会えるもんねって励ましあって、ハグしてお別れするのでした。

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 さて。
 今日はなんだか元気がまだ残っていたので都会へ。

 と言いつつ心の贅沢にパリのブックオフへ。
 100円コーナーにあたる2ユーロコーナー。400円近いという事で全然安くはないけど、ここで生きていたら心の贅沢には激安なので、今日は20ユーロも使いました。大人買いです。ふふふ(そうでもないか)

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 歩いていたらさっきお別れしたクラスメイトに遭遇して話しながらどこまでもトコトコと歩く幸せよ。

 ルーブルの地下のミュージアムショップ(ミュージアムショップ大好き)で探し物を探しにいったのだけど、モナリザばっかりでなんか暗くって疲れた。撤収。

 まだまだ天気の悪いパリです。

「全仏オープンのある時は必ず天気が悪いのよ。終わったら晴れるわ」って言ってたジェニファー。当たってるなあ。  
Posted by yagihana at 16:01

2008年06月05日

輝く焼き菓子たち。

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今週も大好きなこの瞬間を迎えました。





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 日持ちのする焼き菓子が中心だけど、それでも今日は1日デコレーション。

 笑ってるお菓子を見て、これもいいけど私が焼きたいのはあの子達、って思う。
 今までも心こめてたけど、今ならもっともっとこめられる。

 今日、久しぶりに拝見したみのさんの日記に突然スマイル君の事が書かれていて本当に、本当に嬉しかったんだ、ありがとう。私も結婚式前日に2人で焼きまくったスマイル君のこと忘れないよ。

 今まで本当にたくさんの人と一緒に焼かせてもらったスマイル君。
 それぞれの顔つきやその人の言葉、私は全部覚えてる。

 昔はよく「商標登録した方がいいよ!!」って何度も言われたけれどどうしてもそんな気持ちにならなくて、しなかった昔の私に本当に感謝。そんな事じゃないんだよね。

 私はそれぞれの人が、その大切な人に笑顔のお菓子を渡して、もっといい笑顔を受け取って。そんな流れが勝手にどこかで起きているのが1番嬉しい。

 どうしても手元に置いておきたい物なんて何もないよ。
 私の失いたくないものは目には見えないものばかり。

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 ガトーバスクやパンデピスなどの郷土菓子も。

 ジェニファーが本場で教わってきたという特別なレシピに変えてこっそり教えてもらいました。美味しかったよーー。郷土菓子って大好き。

 そして「飲みたくないけどコースで作らなきゃいけないから最低限必要なだけ作りましょう!」

 と皆で作ったショコラショー。
 美味しいチョコレートで作るから美味しいはずなんだけど、こんなに大量のケーキと共には飲みたくないもんね。

 一緒にカフェに入ると、「ホットチョッコレイトください。ホットチョッコレイト大好きなのよね。」って妙にそこだけ英語風に注文する母を思い出します。

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 でも私が一番惹かれるのはやっぱりこんな、素朴なケイク。
 ここで教えてもらったバナナケイク、とろける甘さでみんなは「甘い!!」って言っていたけれど、1人幸せなゆきおでした。

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 全員まず!と試食に走ったのは全て手作りのサンドイッチでした。
 最高でした。

 今日もワインで乾杯。いちいち染み入ります。
 
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 キッシュも大量のベーコンとチーズ、ポテトを使ったオーソドックスなものと、タイカレー風のキッシュを焼きました。

 何が美味しいってこの土台の生地が美味しくて絶対忘れないようにしようってメモ。

 今日はチームの心はただ一つ。
 昼休みにキッシュを食べられるかもしれない!と誰一人お昼の準備をしてこなかったところも、キッシュをランチに間に合うようにって順番を変えて作らせてくれたジェニファーも、何もかもが素敵だった。

★★★

 明日はテスト。そしてジェニファーの授業はおしまい。
 淋しいねって私達はいつも話していたけれど。

 今日の授業の最後、

「あなた達と別れたくない」ってボロボロボロボロ号泣してしまったジェニファーの姿を見て、私もボロボロだった。こんなに泣けるほど好きな場所がこの街にできた事が本当に幸せだなあと思う。

 お別れするときはもっともっと泣けるだろう。
 私達は生徒と言っても皆プロだから皆終わったらそれぞれの国の現場に復帰して、2度とこの時間を手に入れる事はないんだって分かっているからこそ悲しいけど、夢のようにキラキラ輝く現実の今をかみ締めているよ。タフになりたいな。  
Posted by yagihana at 14:32

2008年06月04日

ブリーナ。

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 隣の単発のプレゼン。
 テーマは「夏のケーキ」らしく見た目に爽やかなお菓子たちでした。




 毎日お菓子を食べ続けている今、味も技術も、総合的な完成度が前よりずっと分かるから楽しい。

 「他の人や店のケーキはそこから学ぶ為にみたり味わってね。批判する為に知識を蓄えたり勉強しているわけじゃない。」

 ってジェニファー。
 だから好きだなあってしみじみ。それは他のあらゆる事にも共通するだろう。批判する事は1番簡単。

 よく知ってる人は、知らないという事を知っているからある部分ですごく謙虚。
 私もどうでもいいところで知ったかブリーナになりがちだから気をつけないと。
 
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 さて。
 私達も明日のプレゼンに合わせて一気に仕上げへ。

 そしてサロンドテのお菓子という事でサンドイッチも。
 マヨネーズもパンも明日の朝作ります。今日は野菜や肉の準備。普通に買ったチーズの包み紙がかわいい。

 お菓子界では有名なクラスの1人が、「ゆで卵作って」って言われた瞬間、「え??どうやって??」となってシュルルルル・・と小さくなってみんなに優しく指導されて、赤ちゃんのような素直な顔になっていたのが素敵でした。

「お菓子が作れて料理はできないの?」って散々皆に言われていたけど、お菓子と料理は全然別ものだ、って私も思う。

 私は料理の方が得意。(豪快につくるけど)だけどお菓子を学び続けてる。
 食べるのも料理の方が好き。だけどお菓子を・・。

 私の1大不思議の一つ。(他にないらしい)

 でも本当は分かってるんだ。なかなかうまくいかないから、思い通りにならないから私は夢中なんだって。得意なものを好きになるわけじゃなくて、好きになってしまったものを得意に変える方がワクワク感に満ちてる。だってその工程さえ楽しい。

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 「昨日のうどんのお礼に」

 ってエンリッキーが皆に作ってくれた今日のお昼は昨日とは全然違うゴージャスさ。おやつはダミエのきりはしでした。

 毎日すごい量の糖分に加えて食事もちゃんととっているけど日々の生活がなかなかハードなので太る気がしない、のも気のせいかな。ドキドキ。

 先週はやけに疲れて毎日倒れるように寝ていたけれど今週は元気。
 陽子のおかげだなあ。

 そして陽子が帰国してから一気にパリは寒くなって毎日ダウン着てマフラーぐるんぐるんに巻いて生きています。  
Posted by yagihana at 13:56

2008年06月03日

幸せお昼ご飯。

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 陽子がつれてきてくれた正真正銘、日本の讃岐うどん。
 せっかくなら皆で!と今日のお昼に頂きました。

 ミニトマトの差し入れがあったり、葱の持ち合わせを分けてくれたりして、洋食器にもられて全然美味しくなさそうな一品へ。

 でも懐かしいコシのあるうどん、すごくすごく美味しかったよーー。
 ありがとう陽子!!

 最近12時過ぎからのお昼休み、それぞれがランチの準備の事で頭がいっぱいにつき、11時45分くらいになるといそいそと水を沸かしたり、フライパンを準備したり。

「長い間学校をやっているけれどこんなクラス初めてだ」って、呆れながらも微笑ましく見守ってもらえる環境に感謝です。

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 チョコレートやドライフルーツを食べ比べてたら写真とられてた。
 
 



  いつも穏やかなジェニファー、ソフィア、エンリッキー。

 フランス人との労働の話になると、皆目が「きっ」として、作業代をバンバン叩きながらそれぞれの怒りをぶちまけてる。フランス人と働いた事が無い私は口をはさむ隙も無くて、そんな彼らに目が釘付けです。

 で、また朗らかなおっとりした彼らに戻って作業をするのに、フランス人の話になると、皆目が「キッ」となってテーブルをバンバン叩きながら熱弁。面白いです。  
Posted by yagihana at 14:37

2008年06月02日

焼き菓子ばんざい。

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 今週はガトーボヤージュ(日持ちのする焼き菓子)とサロンドテのお菓子の週。
 嬉しい。こういうの待っていたよーー。(でも量が多い)

 しょっちゅう焼いていたキャロットケイクもここではおしゃれだし、焼き菓子も外に柄がつけられるなんて初めて知ったし、タルトの型が無い人の、手で作り方も知った。

「道は探そうとすれば必ずあるわよ」っていう言葉、そして何かにつけて、
「nothing is impossible!」って、穏やかに断言してくれるジェニファー。

 今日は18種のケイクやタルトを焼いて、それぞれ焼きあがると皆で味見して。

 それはこんがらがっちゃうかなあと思いきや、その味はもちろん、それを食べながら皆でした話とか、風景とか、気持ち、全部覚えてるよ。

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 なんかもうランチものびのびとし放題の我がクラス。
 今日も突然餃子を焼き始めたジャスティン。

 オイルが無くてバターで作り始めた彼に、たちこめるニンニクの香りに、皆さすがに動揺してたのがおかしい。

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 妙にきれいだし。  
Posted by yagihana at 14:17

2008年06月01日

どんどん手にする。

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 陽子出発の朝。
 最後に私がいつも行くマルシェへ。

 陽子がつれてきてくれたもの、のこしてくれたものをずっと忘れないだろうな。
 最後の最後まで地元のカフェでのんびりと、たわいも無い(けれど大切な)話をしていたような時間こそ、私は忘れられないよ。あっという間だった2日間、だけど、ばななさんが

「止めることのできない時間は惜しむためだけでなく、美しい瞬間を次々に手に入れるために流れていく。」

 ってかかれてて、そうだよね!!って思った事を、励まされた事を、思い出す。
 どんどん過ぎていく時間、失っているのではなくて手に入れているんだって私も同意。

 年末の陽子としんちゃんの結婚式にお菓子を作らせてもらう事に。
 ワクワクワクワク。その直後には、陽子から紹介してもらって仲良くなったりさちゃんの結婚式も待ってる。しみじみと幸せなこと。

 最近いつもそういう、私にとっては至福のことをすごく申し訳なさそうに頼まれることが多くなって、まだまだだな私は、って思う。 私のお菓子作りの原点であり、帰る場所であり、全てが、ここここ、この腕の中に。

 世界を広げていく事が、人の思う成長だとしても私には何の関係もないよ。
 外へ外へとその枠を広げるよりも、下へ下へと、深めていきたい。  
Posted by yagihana at 14:21