朝、まだ真っ暗な学校へ。
早朝に学校にいるって、それだけでみんな「なんか・・楽しい!!」と大盛り上がりで異様に元気一杯の我ら。(小学生みたい)
5時にヨーロッパ最大というランジス市場について、「さあ!まずは肉だよ!」
っていきなり肉かい。(心のつっこみ)
全てもう箱に入ってる状態だったから安心・・
かと思いきや、全て見えて生々しい。
写真におさめたのは、写真におさめても大丈夫なギリギリの範囲なので、ブタの頭売り場とか、尻尾売り場とか、足だけ大量に積み上げていたり、ウサギが何トンも横たわっていたり、それはそれは早朝にふさわしい景色をみました。

ここまで見せてくれる市場は日本にはないなあって思いつつ。
すごい匂いにクラクラ。
私の無限の朝の食欲がカラカラになくなった頃、
「さあ!朝食を食べよう!肉売り場の真ん中のカフェで!」
って、そこでかい。

やっと、求めてた野菜や果物の市場へ。
広過ぎるので車で移動。
肉売り場では、働く男性が皆ニヤニヤしながら触ってくるし話しかけてくるし、もう全体的なムードがギラギラしていたのだけど、野菜の方にいったらいきなり平和で幸せな空気。
私は肉食ばかりしている男性特有のギラギラした空気が苦手で、逆に野菜好きな人の穏やかな空気にすごく惹かれるのだけど、まさにそれを体感。
このぺったんこの桃のシーズンがもうすぐはじまるよ。
今年初めて出会いました。すごく甘くて大好きな桃です。

それから花の市場へ。もう6時まわっていたからか、閑散としていました。
バラも好きだけど、カラーもすごく好き。
眠気がピークになったところで、世界最大のフルーツピュレの会社、ボワロンのシェフによる特別講習会がはじまりました。
ベルーエの校長先生の顔の広さと愛されっぷりは学校にいるだけで押し寄せるお客様の姿を見ていて知っていたけれど、外に出るともっと分かるよ。そんな人のもとで学んでいるお陰で、素晴らしい環境で講習を受けられる幸せよ。
でも、眠い。とにもかくにも死ぬほど眠い。
しかもデモと聞いていたのに、いきなりエプロンが配られ、「さあ!皆でやろう!」と言われ、完璧に遠足モードだった私達は突然の仕事モードに心も体もついていけず。
すんごいドタバタの実習がおわって、やっと長い午前が終わってランチへ。
巨大な市場の中で働いている人専用のレストラン。
「お酒大丈夫?」と聞かれて
「酔っ払ってもよければ!」と一応了解を頂いて美味しく酔っぱらうのでした。ふふ。
こちらに来て、何の美味しさにびっくりしたって、チーズでもチョコレートでもなく(想定内)、ジャガイモです。ねっとりとしたチーズのような美味しさに今日も感動。
ジェニファーと個人的にゆっくりとお話しすることはなかったから、今回は食事をしながらのんびりとお話できてすごく幸せでした。とても尊敬すべき人。
私は彼女から何度「彼は本当に素晴らしい人なのよ」ってお菓子界の色々な人を紹介してもらったかな。誰の事も褒めるのかな、って最初思うほどだったけれど。
ずっと一緒にいる間に、そうでもない人については何もコメントしないだけだって、心に留めないだけだって気づきました。私もこうありたいな。

もちろんボワロン社のフルーツピュレを使った講習。
モザイク、という3種のアイスのタルト(青リンゴとバジルのアイスが最高)、レモンタルト、そしてババをそれぞれ作りました。
ババの下にフルーツピュレと生クリームがたっぷりで美味しかったです。
ボワロンは私も日本でよく使うフルーツピュレ。
今も創業者のボワロンさんは今年のピュレの材料のチェックに世界中を飛び回っているそう。小さな素晴らしい家族経営のまま誠実に大きくなっていったとても素敵な会社でした。日本でお菓子作る時、私は今日のことをたくさん想ってあたたまるだろうな。
そして長い一日がようやく終わりました。
4時に戻って、ジェニファーとペルシヨンさんにみんなが心からお礼を言っている姿をみて、やっぱりいいなこのクラス、ってしみじみしつつ。
私は陽子との約束があるので学校からダッシュ!!
このスマイルが嬉しすぎて泣けるー。
パリで明日と日曜の朝、一緒に過ごす為だけに日本からやってきてくれた。
実は少し前にもそんな存在がいてくれたよ。たった1日、されど一生忘れない1日だ。本当にありがとう。
陽子とヨーロッパの町を歩くのはもう4回目。
だからすごく自然なんだよね。
行ってみたかったというモンパルナスのクレープリーでのんびり。
「今日はさすがにあまり食欲がないかも・・。ごめんね。」
なんて言ってみたものの。
全然足りずに、可愛くデザートにうつった陽子に対してまた食事系どっしりクレープを頂くのでした。
それでも今夜は体力の限界を感じたので、明日を1日全力で共に楽しむべく早めにお店を出る。
陽子のいるパリなんだなあって、思うだけでウキウキ幸せな帰り道。