今日はとても大切な日でした。
朝から、はなさんのぱっくりと切られたおなかや内臓を見たりして、クラクラしたけれど、気持ちをきゅっと切り替える。私は私のやる事、楽しみな事をやらないとはなさんにも自分にも失礼だもの。
「終わらないでほしいから始まらないでほしいよ。」ってともみさんが朝伝えてくれたけれど、私も同じ気持ちだったの。でもすごく大きなものを残してくれたから、始まって、そして終わって、本当によかったな。
ゆっこさん、ともみさん、ゆりちゃん。
4人が私の家に揃うのは最初で最後でした。みんなもうプロだからね、最初は手の込んだものを何度も考え直していたよ。
でもそれをこの大切な方達にお伝えしたいわけじゃないなあと思った。
ゆっこさんと、ともみさんのおなかに、大切な小さき人がいる今、これから一緒に生きていく今。私はお菓子を通してつながっていたいなあと思ったからテーマは、旬の素材や野菜を使用したすごく優しいお菓子にしたよ。そうしたら、私のお伝えしたいものはどんどんはっきりとした。
・新生姜のコンフィとキャラメルのケーキ
・かぼちゃのプリン
・ズッキーニのケーキ
・胡麻のハードビスケ
・アメリカンチョコチップクッキー
・アメリカンチェリーのサワークリームクラフティパイ
たくさん、一気に作っていくからなるべく工程が分かれない事。素材に手をかけて準備をしておいたら簡単に作れるもの。バターの多いもの少ないもの。
さすがの手際の良さでどんどん焼き、仕込み、2時間半もしたら全てがテーブルに並んでいて、みんなで幸せに食べまくって、写真もとり、すごく嬉しかった。
同じコルドンブルーを卒業して、年下の私を「先生」って呼んで信頼し続けてくださったともみさん。それでも、いつも私がお菓子とは関係ない事で参っている時もいつもすっとんできてくれたの。それは先生じゃなくて友達としてだって分かっていたよ。ありがとうね。ともみさんのコロボックルのような可愛らしさと愛あるクールさ、揺ぎ無い強さ、フェアさ、自分への厳しさをとても尊敬しているよ。
コルドンの初級で一番前の作業台でたまたまペアを組んだゆりちゃん。大らかでノビノビとして、懐が深い。私はゆりちゃんとペアを組めたから、あんなにも初級が楽しくて踊るように作れたのだよね。お菓子を作り上げるスピードだけは異様に速い私とゆりちゃん。それでもいつも誰よりも笑ってお菓子作りを楽しんでいたよね。ゆりちゃんの近くにいるといつもそれだけで嬉しくて楽しくて笑っちゃう。
そしてともみさんを通して出会ったゆっこさん。名前もお誕生日も一緒である事が本当に恥ずかしく、でも誇らしく思ってるゆっこさんだ。えっへん。本当に人を心から尊重し、大切にされる方。一つ一つの言葉、動作にすごく優しい意味があるなあと分かる方。今日は台所に椅子を用意して座りながら作業していただいたよ。そんな大変な時にも来て下さった事。そしてともみさんとゆりちゃんが、自然に、一番素晴らしい方法で一緒にお菓子を作っていた姿。
ありがとう。ありがとう。何度言っても足りないよ。
今日作ったお菓子、すごくみんなを思って準備をしていたから、伝えたいものを受け入れてくれた気がして、ちょっとね満足しているんだ。私は自分にはなかなか満足できないからねそれがすごく嬉しいよ。またちょっと増えた人数で会おうね。その頃には私とゆりちゃんも小さき人がいるかもねー!(全くいないかもねー!)
夜中にはなさんのことで陽子の祈りがビンビンと伝わってきた。泣いたまま眠って、でも夢に陽子とはなさんが肩を組んで出てきたなあなんて思ったら、いっぱいいっぱい陽子の言葉が届いていた。ありがとうね。その支離滅裂さといったら、ちょっと笑って、ちょっと泣けた。