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男磨きは着物でしよう メタボも隠れカッコいい

「日本橋きもの絵巻」と題した写真撮影会に集まった老若男女約600人。まだまだ男性の姿は少ないが。

 何歳になっても、カッコよくありたいと思いませんか? カッコよさは外見だけじゃないけれど、やっぱり外見も大事。中年になったら、特に気をつけたいですよね。お気に入りの洋服が似合わなくなったと思ったときこそ、着物にチャレンジしてみてください。洋服姿とのあまりの違いに、周囲の方もご自分も驚かれると思います。
 よくいわれるように、体型にかかわらず、着物は日本の男性に似合います。メタボリックな体型が「恰幅のよさ」になるのも、着物です。

 着物は体型を隠せるだけではありません。海外のパーティーで着物を着たら、たちまち主役になれたという体験談を聞きますが、今は国内のパーティーだって同じです。街でも観劇でもレストランでも人目を引きます。それが恥ずかしいという男性が多いようですが、人は視線を浴びることで、もっとカッコよくなれるものです。
 堂々と着て、「男みがき」をしてください。

 では、「堂々と着る」ために、どうしたらよいでしょうか。

1 くつろぎ着として着慣れる
 「ジャージが日本人をだらしなくした」ということを聞いたことありませんか。ジャージと違ってくつろいで着ていても、サマになるのが着物です。小津安二郎監督の映画では、帰宅後の父親が着物に着替えるシーンがよく出てきます。あの姿がなんともカッコいい。くつろぎながら、妻や娘や恋人に一目おいてもらいましょう。
 幸いなことに、男の着物はとても着やすいのです。初めての人でも、1回練習すれば、とりあえず着られるようになります。あとは習うより慣れろ、です。

2 着くずれを気にしすぎない
 男の着物文化には「着くずれもカッコよく見える」という項目?があるのです。坂本竜馬の写真は、ぐずぐずに着くずれています。でも、竜馬はカッコいい! と誰もが思っているので、「竜馬風だ」と開きなおればいい。ちょっと極論ですが。
 初めて着物を着るときは、着物姿に自信がないかもしれません。でも、着くずれを気にしていたら、「堂々と」から、どんどん遠ざかってしまいます。人目を気にせず着ていると、結果的に人目を引く、そんなものですよ。

3 姿勢だけは気をつけよう
着物を着こなしている人は、例外なく姿勢がいいことをご存知ですか? 着物をカッコよく着るための1番のポイントは「姿勢」です。着物の時に、意識的に胸を張って姿勢を良くすることに注意すれば、洋服でも自然と背筋が伸びるものです。

まず、箪笥の中を探そう

 日本全国の家庭の箪笥(たんす)には、何千万枚も着物が眠っているといわれています。「親父さんやお祖父さんの着物がない?」と尋ねてみましょう。箪笥の中にひっそりと眠っているかもしれません。もし、運よく保存状態が良い着物が見つかれば、次は、下図のチャートをご覧ください。そして、この連載を読みながら着こなしに挑戦してください。

フローチャート

※悉皆(しっかい)
「悉皆」はすっかり全部という意味です。「悉皆屋(業)」といえば、京都では友禅染めのプロデューサーのような仕事をさしますが、一般的には、仕立て直しや、しみ抜きなどの相談を受けて、それを各専門の職人さんに依頼するなど、「着物なんでも相談処」といった意味になります。かつては悉皆を専業とする方たちが多くいましたが、いまは呉服店やデパートの呉服売り場がその機能をもっています。

次のページでは初心者から寄せられるQ&Aをご紹介します。

 
2008年12月10日  読売新聞)

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