「年越し派遣村」の実行委員会メンバーは19日、シェルター(緊急避難施設)の増設や就労支援基金の設立など三つの要求を柱とする緊急要望書を大村秀章副厚生労働相に手渡した。派遣村で労働者を支援した状況から、緊急に必要な要望をまとめた。村長を務めたNPO「自立生活サポートセンターもやい」の湯浅誠事務局長は「3月には再び大量の解雇が予想され、対策は一刻を争う」と訴えた。
要望書では、村で住居や就職、生活相談を包括的に行ったことが生活保護申請、住居の確保などに効果的だったとして、総合相談窓口を設置したシェルターの増設を提案。シェルターは現在、全国に7カ所約2000人分あるが、これを40カ所に増やすべきだとしている。
また、雇用保険の未加入を防いだり、職業訓練の充実など雇用保険の機能強化のための基金設立を提案。基金は国民の寄付に加え「解雇した企業は何もしていない」として大企業(資本金10億円以上)を中心に募るとしている。中途解約などが法違反であることの周知徹底も要望した。
大村副厚労相は「予算、財政の支援をしっかりやらないといけない」と答えた。
派遣村の失業者は現在、病院にいる人を含めて75人。実行委員会には今も派遣村で助けてほしいという相談があり、ハローワークなどが労働者を派遣村に紹介する事態も続いている。【東海林智】
毎日新聞 2009年1月19日 20時36分(最終更新 1月19日 20時53分)