「世界の猛獣ショー」でほえるライガー(中央)
ほえる猛獣、手に汗握る命懸けのアクロバット、百年超の歴史で培った伝統の技―。「木下大サーカス」の大分公演(大分合同新聞、大分合同福祉事業団主催)が二月十五日から大分市の大分スポーツ公園で始まる。赤いテントをくぐれば、そこはワンダーランド。興奮と笑いのあふれる“夢舞台”を、開催中の宮崎公演から紹介する。(5回続き)
暗転したテントのセンターステージにスポットライトが当たった。巨大な金網で仕切られた空間に、むき出した牙、鋭い眼光が浮かび上がった。「おおっ」。圧倒的な存在感にどよめきが起こる。現れたのは、ライオンを父に、トラを母に生まれた“奇跡の猛獣”ライガーだ。
二頭いるライガーは大きい方が体重約三〇〇キロ。ライオンよりも一回り大きく、体にはうっすらとトラのしま模様がある。今公演が誇る「ライガーミラクル世界猛獣ショー」の幕開け。血族のライオン四頭、トラ四頭もうなり声を上げる。
操るのは、この道三十年の米国人調教師ジョン・イリグ(46)。むちを「ビシッ」と飛ばせば、猛獣はいすの上に“お座り”。ごろりと寝そべったり、輪の中を歩いたり。華麗なジャンプもお手のもの。どう猛さを忘れて、かわいらしくも見えてくる。
一日の大半を猛獣と一緒に過ごしているというジョン。それでも、ショーの最中は猛獣の目をじっと見つめ続ける。「わたしだっていつ襲われるか分からないんだよ」と笑う。
「信頼関係」と「真剣勝負」の“大一番”だ。
≪メモ≫ 大分公演は2月15日から4月14日まで、大分市の大分スポーツ公園H駐車場特設会場で開催。入場料(自由席)は前売り大人2500円(当日2700円)、3歳―中学生1500円(同1700円)。障害者は当日料金の半額(障害者手帳などを提示)。別途料金で指定席もある。問い合わせは木下大サーカス大分公演事務局(2月10日まではTEL097・533・0045、同11日からはTEL097・551・0045)、大分合同新聞社事業部(TEL097・538・9647)。
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