県警がまとめた2008年の刑法犯罪認知件数は1万4304件で、前年に比べ843件(5.6%)減った。ピークだった01年(2万4273件)以降、7年連続の減少となった。 殺人、強盗、放火などの重要犯罪は85件で、前年比で31件減少した。 08年当初、県警が「前年を上回るペースの被害が出ている」と警戒していた振り込め詐欺は、179件と前年に比べて2件減った。被害総額は約1億6900万円。内訳は還付金詐欺67件(前年比46件増)、オレオレ詐欺13件(同3件増)、融資保証金詐欺69件(44件減)、架空請求詐欺30件(7件減)だった。 人口1000人当たりの犯罪発生率を示す犯罪率は14.0%で、都道府県別ではワースト12。市町村別では岩出市(20.1%)、和歌山市(17.5%)、御坊市(15.3%)が高かった。 県警生活安全企画課は「自転車盗や器物損壊など生活に身近な犯罪が多い。これらの犯罪を減らすためにも、駅前や大型スーパーマーケットなど被害の多い場所での啓発など、意識を高めてもらう対策を講じたい。振り込め詐欺は新たな手口が生まれる可能性もあり、これからも注意を呼び掛けていく」と話している。自転車盗が大幅減 田辺署 田辺署管内の刑法犯罪認知件数は1357件で、前年に比べて194件の減少。大幅に減ったのは自転車盗157件で、前年比で112件(約42%)減。検挙件数、検挙率ともに前年を上回った。検挙人員のうち、4割が少年だった。 同署生活安全刑事課は「検挙が抑止につながったほか、紀伊田辺駅前の防犯カメラや朝来駅前の駐輪場を整理したこと、自主防犯組織の活動が数字に出た」と話している。 犯罪率は、上富田町が7.3%(ワースト23)、みなべ町7.8%(同18)、田辺市12.8%(同7)だった。白浜署も減少 白浜署管内の刑法犯罪認知件数は268件で、前年に比べて49件の減少。「ここ数年減少傾向にある」という。目立ったものでは器物損壊が30件で、32件減った。 同署は「警察だけでなく、住民ボランティアの協力が大きい。その人たちから高い防犯意識が広まった」と分析。「観光客が多くなる夏場は、特に力を注ぎたい。白浜にまた来たい、と感じてもらえるようにしなければ」と気を引き締めている。 管轄する白浜町の犯罪率は11.0%でワースト10。