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流派によってみなちがう四柱推命(2)
「文献公開がなされていない」と書いたら、例のアスペルガー症候群と鬱病を患うMHなる御仁から、そうではないと反論があった。反論する行為事体はかまわない。しかし、相変わらず瑣末な点を大げさに取り上げて騒ぎたて、論点を意図的にずらしている。人を名指しで批判し、過去の書き込みをリストアップしかつ魚拓にまで取っている。それが一体何の意味があるのだろう。実に気違いじみた行為だ。

確かに中国では、清朝を例にとると、康熙帝による『康熙字典』、『大清会典』、『歴代題画』、『全唐詩』、『佩文韻府』及び『古今図書集成』の編纂という大事業が行われている。或いは乾隆帝の勅命により編纂された四庫全書のように歴史的に漢籍叢書が編纂された経緯はある。その中にはもちろん占術書も含まれている。

しかし編纂事業=文献公開というわけではない。歴史好きの中国人のことだから、記録に残すことは好んでするだろう。しかしそれが一般に流通していたのかと言うと話は別だ。出版されたとしても誰もが手軽に手に入るような流通のしくみであったわけではない。金や権威のある一部の階層によって独占秘匿されていたことは明らかである。

例えば、『康熙字典』のような立派な漢字の辞典がありながら、中国人は近代に至るまで識字率は極めて低かった、現代においてさえも奥地においては識字率は低い。中国歴代王朝の基本政策はあくまで官主導の愚民政策である。自由な情報公開など今日の中国ですら行っていない。民間への教育の普及や積極的な情報公開は行っていない。むしろその逆である。

中国では占術も含めて、国家レベルで公開され普遍的にオーサライズされた教育機関のようなものは少ない。中国占術アカデミーなどという存在はなかった。だから流布伝達するには個人の属人的要素に頼らざるをえなかったのである。それで家元から後継者へ或いは子孫へという形で個人や狭い一門をベースとした伝わり方をしたのである。その間に各流派で独自の解釈が生じ、流派間の議論もなかった。それこそ「秘伝」として秘密にされたのである。だからこそ諸説がふんぷんとなるのである。そういう意味では情報公開は行われていないと言ってよい。

例のMH氏は、実に歪んだ視点で単なる知識自慢をしている。秦の時代に占術書が出版されたのうんたらかんたらなどと言う個々の細かい事実などを問題しているわけではない。そういう枝葉末節の話などどうでもよい。完全に論点がすり替えられている。

ここで私が言いたいことは、「中国系占術が現状ではあまりにも不統一である」というまぎれもない事実のことである。それでは初学者が戸惑いを覚えるということと、結局は各人の信念体系のもとで学習せざるを得ないということが趣旨である。だから中国系占術が当たらないとか価値がないと言っているわけではない。

そもそも中国系占術が本当に情報公開されているのなら、中国系占い師によくある「秘伝・秘儀商売」など成り立たない筈である。ほうぼうに本家、元祖、家元ができるのも共通の原理が共有されていない証拠である。


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