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【社説】北はいつまで習慣的な対南脅迫を続けるのか

 北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部報道官は17日、テレビ声明を通じ、「李明博(イ・ミョンバク)逆徒とその徒党が民族の和解と協力を否定し、対決の道を選んだ以上、われわれの革命的武装力はそれを粉砕するための全面対決態勢に入るだろう」と述べた。北朝鮮軍の作戦を実際に運用する総参謀部報道官(大佐級)が軍服姿でテレビに登場したのは初めてだ。総参謀部が南(韓国)に対する立場を明らかにしたのも10年ぶりだ。

 北朝鮮軍の報道官はまた、「祖国が統一されるその日まで朝鮮西海(黄海)には不法、無法の北方限界線(NLL)ではなく、われわれが設定した海上軍事境界線だけが存在することになる」とした。北朝鮮は18日にも同じ内容を繰り返し報じた。

 北朝鮮軍総参謀部のこのような対南脅迫はあまりに突然だ。李明博大統領は今月2日の国政演説で「いつでも北朝鮮と対話し、パートナーとして協力する準備ができている」と述べた。昨年11月に韓国統一部は2000年と07年の南北首脳会談で発表された二つの宣言を尊重し、履行計画を協議していく立場も明らかにしていた。大統領選で07年10月の南北首脳宣言を再検討するとしていた李明博大統領にとっては最大の柔軟性を見せた格好だ。しかし、北朝鮮は突然「売国、逆賊李明博逆徒」と繰り返し、「どれだけめちゃくちゃなことになるか目にすることになるだろう」と脅迫した。もし韓国軍の大領(大佐)が軍服姿で放送に登場し、「売国、逆賊金正日(キム・ジョンイル)逆徒」と名指しし、北朝鮮をあらゆる先端武器でたたくと言ったら北朝鮮はどんな反応を示すだろうか。

 オバマ米次期大統領の就任式が20日に迫っている。オバマ政権首脳陣はアフガニスタン問題と中東問題の解決を対外政策で優先課題に据えると語ってきた。北朝鮮軍報道官の挑発声明は自分たちにもっと関心を持ってほしいと訴えているようだ。

 北朝鮮がそんな思いで「全面対決」を持ち出したのだとしたら自殺行為だ。米ライス国務長官は先月、「北朝鮮を信用するのはばかだけだ」と述べた。北朝鮮軍が声明通りに北方限界線での挑発といった軍事行動を起こすならば、オバマ政権に「北朝鮮は信頼して対話するのが難しい国だ」という印象だけをさらに強く与えることになる。米国と向かい合って事を成し遂げたいという北朝鮮の意図はだんだん実現が難しくなる。

 韓国政府は北朝鮮の意図が何であれ、北方限界線問題をはじめ、北朝鮮のいかなる挑発にも対処し得る万全の体制を整えるべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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