信和関連の契約は02年ごろから結ばれ始めた。契約数はきらめき生命が人数ベースで2千件、払った手数料は19億円。アクサ生命は「調査中」としているが1万件、100億円近くに達する模様だ。アクサ生命は一般企業の売上高に相当する保険料等収入が、08年3月期で6645億円ある準大手。「不正契約による手数料などの損害は小さくないが、経営への直接的な影響はない」としている。
きらめき生命は、信和グループを通じた契約の99%が早期解約されたことから、07年に不正に気づいた。信和側に渡った販売手数料と解約返戻金の合計から保険料を差し引いた、約3億6千万円の返還を要求。信和側が半額を返金することで08年3月に和解した。アクサ生命は、信和グループの綱渡りのような資金繰りが08年夏に行き詰まり、保険料の支払いが滞り始めてから、不正に気づいたという。
アクサ生命は「不正に積極的に関与していた」として部長級社員1人を08年11月に懲戒解雇、上司の執行役員2人も責任をとって12月に退任したとしている。解雇された元社員は取材に対し「信和関連の契約数を増やすことは、所属部署の営業成績を伸ばすために役員ら上司の指示で行った」と証言している。
ほかにもアクサグループのアクサフィナンシャル生命や日本生命など10社以上の保険会社が、信和側と販売契約を結んでいた。金融庁の指示で、各社は不正契約がなかったかどうか調べている。(多田敏男、鯨岡仁)