死して屍拾う者無し

いやね。
プーチン閣下には驚かされるよ。
さっきのバーチャル追っかけ記事を書いた後
さてさてドイツラントのニュース番組を楽しみますかねー
とZDFのホイテ・ジャーナルを見たわけですよ。
それが夜10時からだったんだけど。

早速プーチン閣下の来独が
トップニュースで報道されてた。
うん、うん。
そうだよねー。
と見てたところ。

驚いた。
驚いた。
マジで驚いた。
プーチン閣下ベルリンになんて宿泊してなかった。

つーかね、さっきのクロニクルちょっと修正だわ。
よくよく考えたら首相官邸にいる時点で
まだ外が明るいんだから夜８時なワケ無い。
そんな時間ドイツラントはもう真っ暗だもん。
あー、クロネコったら浅はかだったわ。
なので訂正。
首相官邸に着いた時点で4時くらいじゃないかなと。
だからベーリンの空港に着いたのは
お昼過ぎだったのかなと。
つまり午前中にはモスクワを出発されてたと思う。

そうじゃなきゃこのあとのスケジュールの
つじつまが合わないのでね。

なんとねー。
プーチン閣下はベーリンの首相官邸で
アンゲラと会談して、
報道記者会見をこなしたあと、
第二の故郷へ向かってたんす。

そう。
ドレースデンだよ。
ドレースデン！！！

ひえええええ。

もうね、クロネコはテレビを見てぶったまげたよ。
プーチン閣下ったらベーリンだけじゃなくて
ドレースデンにまで行ってるんだもん！！

ドレースデンに何をしに行ったのかと言うとね。
スパイ活動じゃないよ。
おほほ。

ドレースデンにはゼンパーオーパーって言う
有名なオペラハウスがあるんす。
ドレースデンのシンボル的建物と言えると思う。
これね。↓


ココで本日オーパンバルが開催されてたのだよ。
オーパンバルって確か若者が
社交界デビューをする舞踏会だよね？
ウィーンのオーパンバルとか有名だよね？
貴族の子孫とか富豪の子息や子女が
舞踏会でデビューするんじゃ無かったっけ？
むかーしむかしアタイの好きな
名香智子さんのマンガ「パートナー」で
読んでた記憶が頼り・・・。
んで左回りのワルツを踊るってやつじゃ
無かったっけ？
多分それのドレースデン版かなあと。
いい加減な知識だねえ・・・。笑
デビューする若者たちはデビュタントと呼ばれてて
男女カップルになってワルツ？を踊るのだ。
ウィーンは確か女性が白いドレスだったような。
ドレースデンは赤なんだね。↓


ま、要は若者たちが社交界デビューする
華々しい場なワケですよ。
古都ドレースデンはWWⅡでチャーチル率いる英国に
メッタメタに爆撃されて破壊されたんだけど
不屈の精神で立ち上がった街なのですよ。
フラウエン教会なんてドイツ統一後再建されたくらいだからねー。
そんなわけでドレースデンは歴史があるし
なおかつザクセン州の州都なワケですよ。
観光地なワケですよ。

そんなゼンパーオーパーにて
開催されたオーパンバルのスペシャルゲストとして
プーチン閣下が招待されてたのですよ！！！

くー。
ザクセン州ったら、ドレースデンたら
コニクイことするねえ。
なんて粋なやつらだろー。
ガス問題で揉めてる最中に
プーチン閣下をゲストで呼ぶなんて
正気の沙汰じゃなかなか出来ないよ。笑
プーチン閣下がゲストで来場するってことは
1週間くらい前にドレースデンではオープンに
なってたっぽい。
クロネコ知らなかったわ・・・。涙

なんとねー、今回ザクセン州知事がプーチン閣下を
「独露関係に貢献した人」ってことで表彰して
感謝勲章を贈呈してた。↓
右側が州知事ね。
プーチン閣下の蝶ネクタイ姿が凛々しくてステキー。

そんでこれがドレースデンの紋章入り勲章。↓
とってもキレイ。

この勲章はドイツラントやザクセン州に貢献した人に
送られる名誉ある勲章なのだそう。笑
プーチン閣下は80年代後半に
ドレースデンでKGBオフィサーとして働いてたし、
その後大統領になってから独露経済関係を強く結び付けたし
いろんな意味で大貢献してるから
勲章授与は当然の結果ではあるよね。笑

プーチン閣下は勲章をもらって
その場でスピーチもしてた。
しーかーも！！！
スピーチは流暢なドイツ語だった！！！
ドイツのメディアも絶賛してたよ。
クロネコ大感激しちった！
プーチン閣下のドイツ語をちゃんと聞いたのは
初めてだったんだもん！！！
念願の閣下のドイツ語！！

いかにルスラントとドイツラントが
結びついてるか、歴史的な関わりが深いかを
強く訴えるスピーチだった。
プーチン閣下のドイツ語は何だか
力強いアクセントが印象的。
あれはロシア語ナマリなんだろうか？
ロシア人ってあんなにハキハキしゃべんないような気が・・・。
プーチン閣下は英語も同じようなナマリがあるんだよね。
もしやザクセンナマリ？笑

でもねー、もう何年もしゃべってないだろうし
ドイツラントに来たのだって久々だって言うのに
噛んだりせずにスラスラ原稿を読んでて
プーチン閣下ったらお見事！
さすがだなあって思った。
アタイなんてドイツラントに住んでるのに
たった2週間日本に帰っただけで
ドイツ語がしどろもどろになってて
上司に「もうそんな長期間ドイツを離れちゃダメだぞ！」
って注意されてるくらいなのに・・・。涙
やっぱ凡人と国家元首じゃオツムの出来が違うんだね。
ますますリスペクトだよー。
そんでもって感動。
アタイがあの場に居たら間違いなく
スタンディングオーベーションだよ。
何なら一人でウェーブだってやっちゃうよ。
くー。
あの場に居た人たちがうらやましいわー。

会場の外にもスクリーンが設けられてて
中の様子が中継されてたので寒い中
1万人の観衆がそれを見てたんだけど。↓

プーチン閣下についての彼らのコメントは
どれも肯定的だった。
「やっぱドレースデンの知名度を上げてくれたから
選ばれるのは納得です」
ってみんな言ってた。
ドレースデン市民たらナイスだねー！
良く分かってるねー。笑
かつてはKGBを嫌ってたくせにー。笑

けど、プーチン閣下は今ドレースデンに居るんだー。
驚いたなー。
テレビの前で興奮冷めやらぬまま
何気なくチャンネルを変えてたら・・・

なななななーんと。
MDRって言う局がゼンパーオーパンバルを
生中継してたんす！
えええええー。
それは知らんかったよー。
もう少し早く知ってればアタイはライブで
プーチン閣下のスピーチが見れたってことじゃないの？
なんてなんておバカなアタイ・・・。
って絶望しそうになったけど
そのまま番組を見てたのよね。
もしかしたら画面に映るかもしんないし！
って思って。

したらねー。
クロネコの思惑どおり映りましたがな。
ありがとう、MDR!

去年の北京五輪で金メダルを取った
ドイツの重量上げの選手でマティアス・シュタイナー
って人が居るんだけど、
彼はものすごーくドイツラントで人気があるのよね。
日本で言う北島康介並みの人気。
金メダルを取っただけじゃなくて
オリンピックを目指してる最中
最愛の奥さんを病気か何かで亡くしてしまって
それでも健気に努力してメダルを勝ち取った
ってことでドイツ人たちの心を打ったのですよ。
なので今は国民的英雄。

だから彼も表彰されたんす。
表彰時のスピーチでマティアスさんは
「私は金メダルを取れたのですが
競り合って銀メダルになったのはルスラントの選手でした。
プーチン首相すみません。」
って言ったのよね。
したらねー、プーチン閣下は笑いながら
ちっちっちって指を振ってた。
閣下ったら心温まるレスポンス～。笑
この人がマティアスさん。↓


でもドイツラントも良く分からんねー。
メディアではプーチン閣下を非難しておきながら
ゼンパーオーパーの中継では
「今日はプーチン首相が来場されるので
辺りにはSPが散らばっていて
大変物々しい様子です！」って
嬉しそうにレポートしてたし。
あとね、このオジイサン、名前分からないけど
有名な人（俳優かな？）らしいけど
この人もインタビューで面白いことを言ってた。↓

自分のスピーチが終わった後
プーチン閣下が寄ってきて
「あなたのスピーチは素晴らしかったです！」
って言いながらキスされたんですよ～
って言ってた。

なななななな、なんですとおおおお！

プーチン閣下ったら何でこんなオジイサンに
キスなんてするのよー！
って思ったけど、本音はもちろん
うらやましー！の一言ざんす。
いいな、いいなー。
でもこれも心温まるエピソードだよねえ。笑

それにしてもプーチン閣下は
ベーリンからドレースデンまで
一体どうやって移動したんだろ？
飛行機で移動するには近すぎるし、
車だと高速飛ばしても2時間は掛かるし、
まさかドイツ鉄道じゃないだろうし。
うーん。
やっぱ車かなあ・・・。
それともやっぱり政府専用機かなあ。
ってこんなことで頭を悩ましてるのって
アタイぐらいだよね・・・。

オーパンバルは途中で会場から姿を消してたので
多分ドレースデンからそのままモスクワに
帰ったんだと思う。
やっぱり明日がガスパイプライン問題の会議だって
言ってたのでね。
プーチン閣下ったら大忙しだねえ。

ちなみにドイツラントは参加しないんだって。
だからプーチン閣下はわざわざベーリンに
来たんだと思う。
ジャーナリストいわく、ルスラントは
世界恐慌のあおりを受けて財政確保のため
ガスを使って欧州からお金を取りたいと
思ってるので必死なんですよ
って言ってた。
ま、そうかもしんないねー。

そう言えばねー。
ベーリンのグリーンメッセで多くのマスコミに取り囲まれた
プーチン閣下の様子がニュースで流れてたんだけど
多分どこかの無礼なジャーナリストがプーチン閣下に
「欧州向けガスパイプラインをあけてください！」
って言ったのか、それに対する閣下のコメントが
何度もニュースで流れてた。
不思議とプーチン閣下の言ってることが
全部聞き取れるなあって思ったら
ドイツ語だったのだ！
「Wir haben schon aufgemacht!
Wissen Sie nicht?」
ってね。
プーチン閣下にドイツ語で返してもらえるなんて
なんて幸せなジャーナリストなんだろうね！
ってうらやましくなったよ。
しかもバルブを開けるようなジェスチャーつきだよ。
いいな、いいなー。

ちなみにこのドイツ語は
「私たちはもうパイプラインを開けましたよ。
ご存じないんですか？」
って言う意味。
まだドイツラントにはガスが届いてないらしいので
ウクライナが止めてるんだと思う。

パフォーマンスが得意なプーチン閣下を
見るのは本当に楽しいなー。
プーチン閣下ったらドイツラントに
マスコミの前では生き生きして見えるのよね。
会見の時もハツラツとしてたよ。

あー、それからベーリンでの
欧州エネルギー会社との会談だけど
参加してたのはドイツラントのエーオンと
イタリアのENI、そしてガス・デ・フランスだそう。
会見会場は一瞬しか見えなかったけど
もしかするとポツダマー・プラッツにある
リッツカールトンかなあと。
違うかも。

会合の目的はプーチン閣下から
エネルギー会社へのコンソーシアムのお誘い。
多国間企業で連携しましょうって話なんだそう。
「ウクライナ経由で敷設されてるパイプラインの
技術的な条件を保証するため」
って書いてあったけど
現時点ではどういうことなのか
アタイにはあんまり良く分かんない。
ウクライナのブロックを阻止するために
国際企業同士で組んだ方が得策でしょう
ってことみたい。

アンゲラは、とりあえずEUの監視団を
ウクライナに向かわせて、
本当にガスを抜き取ってるのか調査したい
って言ってたのであんまり乗り気じゃなさそうだったかな。
んでEUとしては結構ルスラントに腹を立ててるって言う
記述をよく見かける。
今のEU議長国はおフランスから反ルスラントの
チェコに変わっちゃったからなー。
ドイツラントのガス備蓄ももう半分しか無いみたいだし
そろそろガスが来ないと困るんだよね。
プーチン閣下の今回の落とし所はどこだろ？
心配はしてないけど、アタイも緊張しちゃうんでねえ。

不思議なのはドイツのメディアでは
ウクライナの政権争いについての報道が少ないこと。
何故だろ？
そこに問題の根幹があるような気がするのに
ルスラントが悪者なんだよね。
いつもの事とは言え・・・。

いずれにしても。
プーチン閣下は2009年も大変エネルギッシュだな！
ってこと。
そんでフットワークがめちゃめちゃ軽いなってこと。
改めて思い知ったよ。
もうアタイが言えることは一つしかない。

「プーチン閣下最高！」笑