歌舞伎ソムリエ 思いつくままに

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<<   作成日時 : 2009/01/19 08:05  

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イヤホンガイドをやってみたい、という
ある女性と話す機会があった。
会社にも、その旨、問い合わせたこともある、とのこと。

その場合、当然、ギャランティも話題にのぼる。
新人のうちは、解説一本で、
(演目時間にもよるが)5万いくかどうか、と
会社からは説明があったようだ。

「解説だけでやっていくのは、これではとても無理で、
仕事のかたわらの副業、あるいは
結婚後、主婦しながらの仕事、ということに
おのずとなってしまいますね。。。」

伏し目がちな彼女。

その席では言わなかったが、
ぶっちゃけた話、ぼくが、平均、一本10万くらいである。

もっと全体のことをいえば、
イヤホンの全売上のうちの
5%だけが、解説者側に入る。
その5%を、全解説者で折半
(演目時間や、年功序列をふまえたうえで)している。

イヤホン一台でこれをとらえると、
一台が、たとえば歌舞伎座だと、使用料650円。
650×0.05=32.5
この32.5円を、演目が3つ、すなわち解説者も3人であれば
単純計算して3等分。。。10.833・・円、が
お客さま一人から一人の解説者がいただいているお金だ。
11円弱。

劇場でイヤホンをチェックしているとき、
聞いてくださっているお客さまの姿も、
当然、目に入る。
一瞬、お一人お一人に重なって
10円玉と1円玉が浮かんで見える。
これは正直な告白で、
かならず、そういう一瞬があるのです。
恥ずかしい、申し訳ないことです。
昨今は、そんな自分の卑しさを
どう克服するか、どうそれと折り合いをつけるか、が
この仕事で感じる最大のストレスになっている。


僕にとって、この仕事は、
生活を支えるれっきとした手段だ。
ただ歌舞伎が好きだから、だけでつとめている奉仕ではないし、
文化をささえるこの類の仕事だから、稼ぎは二の次で。。。と、
半端なボランティア精神を持つ気も、ない。
自分が好きなこと、得意なことで、
そこで自分にできる最大限の働きかけをして、
それに見合った報酬をいただく。。。
シンプルに、そういう欲求を、持ちたいだけだ。
そして、そういう健全な欲求・モチベーションを持った
あたらしいガイドの戦力に、どんどん出てきて欲しい。

ギャランティの現状には、
率直にいって、まったく満足していない。
だから今朝は、こんな話題をここに書いています。
これ、なんとかして改善しないと、
ガイドの後継者は生まれない。
一本あたり、いまの倍〜2.5倍。
ガイドの話し手はすべからく
それくらいの価値のある仕事をしている、と思う。
誰にでもできることではないのだから。

お客さまも、じつは現状では、
ガイドの会社に「ぼられている」と、僕は思うのです。

ガイドを聞きたくて皆さんは
歌舞伎座であれば
使用料650円を払ってくださる。
そのうちの95%は、われわれ解説者、つまり
ガイドの話し手(&原稿の書き手でもある)ではなく、
会社側に入ってしまう。
支払う動機と、そのお金の行く先とが
まるで一致していないのが、イヤホンの使用料なのです。

10〜15%は、解説者はもらうべきだ、と
ぼくは信じている。
くどくなるけど、それくらいの価値のある仕事だとおもう、ガイドを手がけるのは。
のこりの85〜90%を売上として、
そのなかで企業努力をして、
イヤホンの会社は経営を保っていくべきではないのか?

ぼくは間違っている?甘い?
皆様の意見をうかがってみたいです。
そして、疑問・疑念を抱いた方は
それをどんどん、イヤホンの会社にも
ぶつけてみてください。



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