【北京・西岡省二】朝鮮中央通信は13日、北朝鮮で03年10月に麻薬密輸容疑で摘発され、拘束されていた「日本エンタープライズ株式会社の澤田義昭・元部長」を人道的措置で同日出国させたと報じた。出国ルートなどは不明。北京の日本大使館は「事実関係を確認中」としている。
北朝鮮側は03年10月の段階で、澤田氏が北朝鮮住民を金銭で誘惑し、第三国で麻薬を入手させた後、貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」号を使って日本に密輸しようとした、などと報じていた。
同通信は13日、北朝鮮側による調査の結果、澤田氏には「同船が麻薬密輸に使われている」とでっち上げる目的があり、その背後には「日本の謀略団体」がいると主張。そのうえで、北朝鮮と朝鮮総連を陥れようとした「卑劣な陰謀の真相」が明らかになったと強調した。澤田氏は自らの罪と背後勢力との関係を認め、謝罪したとしている。
◇北京の日本大使館職員が面会
外務省の児玉和夫外務報道官は13日の会見で、日本政府が澤田氏の北朝鮮出国を確認し、北京の日本大使館職員が面会したことを明らかにした。朝鮮中央通信の報道内容については、「具体的な容疑事実を把握しているわけではない」と述べるにとどまった。【大谷麻由美】
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