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タイ海軍、不法移民を海上に放置?−政府が人権侵害を調査

2009.1.18 22:56

 【バンコク=菅沢崇】不法に入国しようとしたミャンマー人に対し、タイの沿岸当局海軍が手を縛るなどして船上に放置し、約300人が死亡した疑惑が浮上した。タイの英字紙バンコク・ポストなどが18日伝えた。タイ外務省は調査を開始しており、重大な人権侵害事件に発展する可能性がある。

 この疑惑以外にもミャンマー人に対する人権侵害が指摘されており、こうした対応がタイ警備当局で定着していた疑いも出ている。

 同紙によると、タイ海軍など沿岸警備当局は昨年12月、アンダマン海でミャンマーの少数民族「ロヒンギャ」412人を乗せた船舶を摘発。しかし、保護しないまま不法移民として手を縛るなどし、エンジンのない別の船舶に乗り換えさせた上で、海上に放置した疑いが持たれている。船舶は15日以上漂流し、インド領内で同国の沿岸警備隊に保護されたが、生存者は107人だったという。

 このほかにもタイの警備当局が昨年12月末、ミャンマーからの出稼ぎ労働者らをボートで沖合に連れ出して放置したり、英国のBBCテレビによると、海軍が不法移民摘発の際、沿岸の島で暴行を加えた疑いも出ている。

 ロヒンギャは、軍政の迫害を受けて1990年代から隣国のバングラデシュに逃れるケースが続出。多くが、その後に仕事を求めてタイやマレーシアを目指している。

 ロヒンギャ ミャンマー西部に居住する少数民族。イスラム教徒であり、多数派の仏教徒と対立関係にある。民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チーさんを支持したために、軍政から迫害を受けた。

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