トヨタが赤字に転落した事が大きな話題になってますが、これどこまで本当の赤字なんでしょう? このサイトがうまく説明しています。
1. 11月の予測に対し、12月22日に発表された修正ですよね。
翌日の日経新聞で読んだ情報ですが、増減益の詳細は、
(1)為替の変動による減益が8900億円、
(2)販売減少が1兆1800億円、
(3)その他の経費増が3700億円、
(4)コスト改善で200億増益、合わせて1500億円程の赤字・・だそうです。
恐らく、5700億という数字は、11月の案に比べ、販売減少だけで5700億減という意味だと思います。
まず、(1)の為替変動について。
すでにコメントがありましたが、トヨタは海外の利益が7割〜9割を占めているので、対ドルで1円高になれば200〜400億、対ユーロだと30〜70億円
の損失が出るとされています。色々値を聞くのですが、どの値が正確なのかは私にはわかりません。とにかく、昨年に比べると、ドルだけでも15円〜20円の
円高になるので、大きな痛手ですね。11月の予測では100円レート換算だったと思うので、90円前半の12月発表はそれだけ減益修正されたと思います。
(2)の販売減少について。
これも、予想以上の影響だったということでしょう。11月のアメリカが前年比34%減の販売、これだけで5700億円の減益だそうです。なんだか、上の数字と被りますね。
(3)その他諸経費の増加
すでにコメントがありますが、急激な販売減の影響で、在庫管理費の増加。他には、リストラ・早期退職者等、人員削減に伴う退職金支払いの費用。後は、前年最高益を踏まえて、設備投資・事業拡大費・研究費が2007年に比べるともしかしたら若干増えているのかもしれません。
2.大赤字を出しているのは、連結の別企業に利益を付け替えている可能性も否定できません。
1.自動車販売の不振といっても、いつの間にかカンバン方式から計画生産及びノルマ販売に戻っており、一部のディーラは在庫を抱えている状況というのが本当でしょう。実際に、見積もられている1兆近い金額の一部はそれに該当すると思います。
2.トヨタ自動車自体の連結はかなりの企業に及んでおり、本体部分である豊田自動織機、豊田工機、豊田中央研究所、アイシン、デンソー、トヨタホーム、ダ
イハツ自動車、日野自動車、富士重工業、東建コーポレーションなどの企業以外にも、トヨタリース、トヨタレンタカー、トヨタファイナンスなどの企業のう
ち、「トヨタファイナンス」辺りでサブプライムの影響を受けているのではないか?と推定しています。
3.内部留保自身は、トヨタ自動車本体自身はあると思いますが、それ以外の企業では、カンバン方式が徹底しており内部留保額は少ないように思います。
4.株主配当及びユーロ債の発行が行われており、その債権の償還用の資金分を損金として計上しているのではないか?と推定しております。
以上の要因から、6300億円近い金額が消えているのではないか?と推定しています。なお、連結対象企業もトヨタ自動車株を保有しており、それらに対する株主配当なども影響しているものと推定しています。
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上記の2にも指摘されていますが、本体は5-6000億程度の利益はあるのに、どこかへ隠すか、子会社へ回している可能性があります。 すると、GM等とは違って本業は利益が出るわけなので、来期以降に”V字回復”する可能性があります。
私はもう一つ疑っている事がありまして、今回豊田家に”大政奉還”しましたが、これも芝居の一部で。 来期以降のV字回復を”豊田家のおかげだ”とちょうちんをつける為にやっているんじゃないか? ”100年に一回の未曾有の危機にも、豊田家を中心にまとまれば切り抜けられた”こんな神話を作ろうとしているんじゃないか? 私の考えすぎでしょうか?
日本の大企業はこういう危機を抜ける場合の対処については”前科”(?)があります。
1)それまで出せなかった隠れていた負債等を出してしまう。 うみを出す。 アメリカの大企業がこれができないのは、”経営者が業績が悪いと巨額のボーナスがもらえない”からでなるべく悪いニュースは隠すことになります。 トヨタの様な事が起きると、ボーナスどころか首を切られかねない。 日本企業にはこれが無いので経営者は”不景気を思う存分利用できる。”
2)日本では人を切るのは最大の問題で少々業績が悪くてもできない。 そこでこういう不況の時が千載一遇のチャンスでできるだけ人を切るためにも、”業績は悪ければ悪いほど良い”
3) 日本では横並び意識が強いので不況期に業績が良いのは本音では高評価にならない。
4) トヨタの場合更に、Big 3の不振と比べられるのでGM の再建の行方がはっきりするまでは、業績が良いとどんなバッシングが起きるか判らない。
5) 過去には新日鉄が大幅赤字を出し人を切った次の年に最高益を更新したり、日産のV字回復とか、”その前の大赤字って本当だったのかよ?”と疑える事件(?)があります。 ある韓国企業の役員が”日本の大企業の強さは韓国とは比べられない。 悔しかったらサンヨー電気でもつぶしてみろ。”と言った記事をよみましたが、そのサンヨーも結局つぶれないでパナソニックに吸収されました。 ブランドも残るし。 あれだけいい加減な経営をやったサンヨーでもこれでは、日本企業、特にトヨタのような”ものづくり優秀企業”が”苦しい苦しい、もうダメだ”と言っても、どうもあまり信用(?)できません。
6) その他にも、”為替差損”って確かに円に変えてしまえば実損になるでしょうが、ドルで持ってれば又ドル高になれば単なる紙の上の数字に過ぎません。 トヨタだったらやれるのでは? アメリカでの売り上げはアメリカに置いといて、日本での必要経費は借金(起債)でも何でもすれば、借金の利息の方が円高差損より低いのでは?
7) 同様に株式評価損も、売らなきゃ実損にならない。 トヨタの株式保有は売買でもうけるのは無いはずだから、いずれにしてもずっと保有してるはず。 で株価が2年か3年後に回復すすれば、これも単なる紙の上の評価損に過ぎない。 今の日本株の評価は明らかにおかしいわけですから(PERから見ても)、いずれ回復するのは99%確実です。 問題はいつ、どのように回復するか? でこれは短期売買する人には問題でも、トヨタのように”売る気の無い保有者”には関係無い事です。 もちろん会計的には処理しなければいけないし、短期的な評価にはマイナスですが、企業としての根本的な力にどの程度関係するかは疑問です。 今GM,クライスラーの救済問題が深刻なのは、Big 3の場合Ford も含めて、この車メーカとしての根本的なものつくりの力が衰えてしまっている事です。 なので”短期的に米政府が資金を投入しても無駄になる”という議論が共和党中心に、又米国民の間に広がっているのです。
まあ、私の考えがどこまで当たっているかは判りませんが、トヨタが来期以降急回復してくる事だけは、まず間違い無いと思います。 そしてBig 3がここ数年で更に大きな問題にぶち当たる事も。 では今日はここまで。
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まったく、ちょっと以前のことを覚えているだけで、見えてくるものがありますね。
ただ、Big3は、今年中にBig3でなくなるかもしれません。そのへんは早い国ですから。
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