長女が生後5カ月のとき第2子の妊娠に気づき、娘に対し「もう少しあなただけのママでいたかった」という主婦(29)の思いがつづられた「女の気持ち」(「命」)が昨年12月20日、くらしナビ面(東京本社版)に掲載されました。同じような体験をした多くの方々から、年子ならではのメリット、応援の声が数多く寄せられました。読者からの手紙やメールと、専門家によるアドバイスを今回と25日の2回に分けて紹介します。【まとめ・小川節子】
★幼稚園行くまで
出産はもう大昔のことになりますが、長女1歳の誕生日からまもなく長男を出産しました。「年子なんて考えなしねえ」とわざと聞こえるように言われたこともありましたが、親切にしてくれる人の方が多かったです。第一、子どもがしっかりします。物心ついたときから姉弟がいるので幼いながら自分以外の人を思いやれるからでしょう。そして子どもは一緒に大きくなるので1人が幼稚園に行くようになれば一息つけます。その時までひとがんばり。=埼玉県川口市、堀木浩子さん・66歳
★いいところ
ちょっと親サイドに偏ってしまいますが、年が近い兄弟のいいところをあげてみます。
(1)育児用品を片づける必要がない。
(2)服を共有できる。
(3)生活のリズムが似ている。
(4)娯楽や行楽、どの子も楽しめる。
(5)親が忙しいので親自身の許容範囲が広くなる。
(6)年子というとみんなが「偉いねえ」とほめてくれる。
(7)そしてなにより「可愛い!」。一緒に眠っている顔、上の子が下の子の面倒を見る姿……。
(8)大きくなってからはどの子の友達が遊びにきてもみんな加わって遊ぶ。
我が家は、春になったら下の子も入学し4年生、3年生、1年生、ランドセル三つ並んで出かけることでしょう。=宇都宮市、武田深雪さん・44歳
★時には
私も長女が7カ月の時に第2子を授かりました。生まれたばかりの弟を見た時の長女の浮かべた複雑な表情は今でも忘れられません。これからどんなに大変になるのか、不安になりました。もちろん年子の育児は毎日へとへとでしたが、夜、私の両脇に眠る我が子たちを見ていとおしくなんとも幸せな気持ちになったものです。時には周囲の人に甘えてお姉ちゃんと2人きりの時間を作ってみてはいかがですか。「お姉ちゃんだけのママ」はこれからもできますよ。=東京都府中市、森久美子さん・37歳
★忙しいけど
我が家は10カ月違いの8歳と7歳、13カ月違いの5歳と4歳の2組の男の年子がいます。この4年間とにかく「忙しかった」記憶が一番ですが、1歳の長男が新生児の次男のベッドサイドで自分のおもちゃを見せてあげていたのが良い思い出です。4人の年が近いので、勝手に遊んでいてくれるし、宿題なんかもお互いに手伝っているようですし、親としては楽ですよ、けんかさえしなければ。服なんかも共用できるし、学校行事なんかも忘れずに素早く対応できるし、3歳すぎれば年の違いも気にならなくなるし、いいトコ取りで対応しています。=えみゴンさん
★周囲にSOSを
10歳と11歳の女の子のママです。下の子が生まれたとき、上の子がまだ1歳5カ月。彼女には妹ができたことは理解不能だったようです。夜中の授乳のときは、上の子まで泣き出して、大合唱。絶対に1人では大変、SOSを出し続け、子育てをみんなに手伝ってもらってください。私の場合は、夫の母と私の母にほぼ毎日順番に来てもらって、2~3時間、子育てや家事を手伝ってもらいました。また、気分転換も必要で夫に見てもらって、1時間でも1人で出かけたりしていました。=シンガポール在住、ふみ・ゆうママさん・44歳
★自立早く
お兄ちゃんが6カ月の時に下の子を授かり、生まれたときは1歳3カ月の差。まだ1人で何もできないお兄ちゃんでしたが、徐々に周りの空気を察してか「自分のことは自分でやる」としっかりしたお兄ちゃんに育ってくれました。今思えばお兄ちゃんには我慢させてばかりで、あまり親に甘えることをさせてあげられなかったなあと思います。=神奈川県藤沢市、来山理加さん・34歳
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●「命」の要旨
12月10日で娘は無事1歳を迎えました。大病もせず毎日すくすくと成長し、「子はかすがい」「天からの授かりもの」という言葉をしみじみ感じる日々です。現在私は妊娠9カ月。娘が満5カ月の時に第2子の妊娠に気づきました。まったく無計画な自分にほとほと愛想が尽きたのと同時に、甘えたい真っ盛りの娘を抱えた出産に迷いが生じたのも事実です。娘の寝顔を見る度に涙が止まりません。「もう少しあなただけのママでいてあげたかった」。そんな誰にも言えない思いが無意識のうちにしずくとなってほおをつたいます。
毎日新聞 2009年1月18日 東京朝刊