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国有地不法占拠:賃貸・売買が横行(下)

◆国有地を私有地のように賃貸、売買することも

 さらにひどいことに、国有地を自分の所有地のように賃貸したり、売買するケースもある。

 ソウル市中区のある市場。そのうち8軒の商店(43.5平方メートル)は国有地に建っているが、数十年にわたり家主が商人に賃貸し、賃貸料を徴収している。毎月60万ウォン(約4万円)の賃借料を払い、10年間ブティックを経営してきた女社長は、「不動産仲介業者を通じ、家主と正式な賃貸契約を結んでいるが、この土地が不法占拠された場所だったとは全く知らなかった」と語った。同市場の管理所の関係者は、「一部の家主の場合、国有地を20年から30年にわたりただで使ってきたのに、なぜ今になって国家と土地の賃貸契約を結ばなければならないのか、と主張している」と語った。

 国有財産売却業務を担当してきた元公務員D氏は、1970年代初めから80年代半ばにかけて、全羅南道新安郡、木浦市などでソウル汝矣島の面積の19倍に当たる157平方キロもの国有地を違法に取得した。D氏は親戚などの名前を借りたり書類を偽造したりするなどして土地を取得し、摘発された。さらにD氏は、土地の一部を第三者に売却したこともあった。猫に魚屋を任せていたようなものだ。

 京畿道華城市庁の関係者は、「国有地をむやみに不法占拠し、自分の土地だと主張するケースも多く、訴訟業務を処理するだけで手一杯の状態だ」と語った。国有地関連の訴訟件数は、2007年の1年間だけでも2840件に達する。

◆数十年にわたり「又貸し」状態で放置された行政財産

 国家機関が自ら法に背き、違法に利用したり放置しているケースも多い。現行の国有財産法上、各部署が所有している「行政財産」の場合、5年間使用しなければ用途廃止となり、国有財産の総括部署である企画財政部に移されることになっている。しかし関連法に違反し、又貸しなどで長期間放置している部署もある。

 旧海洋水産部(国土海洋部)は2001年、江原道の東海岸で港湾物流団地に使用するとして土地公社から7万5850平方メートルの国有地(時価45億ウォン相当=約3億円)を譲り受けたが、7年間又貸ししたまま放置している。港湾管理規定などの関連法規によることなくむやみに土地を確保し、使うことができないからだ。

 また、国防部は1983年から91年にかけて、航空宇宙博物館を設立するという目的でソウル汝矣島の大方駅付近に広さ3306平方メートル規模の土地を取得した。しかし取得目的とは異なり、91年以降、100人余りの会員を有するテニス場として使われている。資産管理公社(KAMCO)は、この土地に民間の複合ビルを開発して賃貸した場合、600億ウォン(約40億円)台に達する付加価値が創出できると推定している。それにもかかわらず、公示価格が200億ウォン(約13億円)を超える土地を17年にわたり放置している。

 韓国政府の関係者は「企画財政部に移された場合、次に再び必要な土地を取得するのが難しくなるため、使い道がないまま各部署が土地を抱え、長期間放置するという結果を生んでいる」と語った。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

クム・ウォンソプ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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