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国有地不法占拠:賃貸・売買が横行(上)

不法占拠、4年で5倍に

後になって事態を把握した政府が撤去を要求してもまるで動かず

自分の土地のように売買し、賃貸料を徴収するケースも

部署別に土地を抱え放置するのも「一因」

ソウル市永登浦区堂山洞の国有地には教会の礼拝堂が建てられ、無断使用されている。向かい側のマンションに住んでいる住民たちですら、不法占拠の事実を知らなかったという(左)。ソウル市麻浦区の西江大に近い国有地には、36平方メートル規模の無許可住宅が立ち並ぶ。全北大の姜仁載(カン・インジェ)教授は、「低所得の不法占拠者に対しては、それぞれの経済力に見合った賃借料を納付させるようにする管理方式が必要だ」とアドバイスした(中央)。ソウル市中区のある市場では、1960年代初めから国有地の不法占拠が始まった。KAMCOの関係者は「一部の商人はこれまで国有地を使用してきたことに対する使用料を払わず、その後も賃借料契約を結ばないまま持ちこたえている」と語った。/写真=イ・テギョン記者

 ソウル市内の総神大駅近くを走る8車線の大通り。その道路脇にある公有地(瑞草区方背2洞)には、社団法人A連合会がコンテナボックスの事務所を設け、土地を無断使用している。付近の不動産仲介業者の関係者は、「1坪当たり6000万ウォンから7000万ウォン(約400万-466万円)はする一等地を遊ばせておくなんて、理解できない」と語った。また、近くの家具メーカーの関係者は、「何年か前にあの土地を購入しようとして調べてみたところ、売買できないと言っていたが、不法占拠していたとは知らなかった」と語った。

 ソウル市永登浦区堂山洞の団地の向かい側にある広さ170平方メートル規模、時価2億6000万ウォン(約1732万円)の土地も国有地だ。しかしB教会が礼拝堂を建てて数十年もの間不法占拠しており、近くの建設会社や造船会社も、国有地の一部を無断で使用してきた。しかし政府は、昨年初めになってようやく、これらの教会や企業に弁償金通知書を通告した。 

 ソウル市瑞草区のリサイクルセンターにほど近い林の間にある広さ50平方メートルほどの公有地には、大きな白いコンテナが一つあり、「C連合会」と書かれた青い看板が堂々と掲げてある。広場のように見える場所には5、6羽のニワトリが放たれており、コンテナのドアを開けると、事務所の一方に使い捨てのバーナーと食材が散乱していた。

 管理人を名乗る60代半ばのムン某さんは、「ここに寝泊りしながら事務所を管理している」と語った。

 この団体は、5年前から公有地を不法占拠しているという。緑地に分類されているが、木を伐採した後に広場を造成し、近くの道路につながる木製の門まで作られていた。

 瑞草区に別の事務室を構える連合会側は、「障害者のための事務室が追加で必要なのに区庁が用意してくれず、公有地だと分かっていたが建物を作った。区庁から事務所を提供されれば撤去するつもりだ」と語った。一言で言うと、デモとして公有地を5年も占拠しているということだ。

 瑞草区庁は数年間この事実を全く知らず、昨年8月に付近の住民の通報が相次いだことを受け、初めて通知を送った。しかし3度にわたる撤去要求にもかかわらず、C連合会はその場に居座っている。

 このように政府の管理がおろそかなために、粒よりの国有地が数年、数十年にわたり「主なき地」のように扱われてきた。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

クム・ウォンソプ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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