そこは人類最後の砦。
2020年の日本を舞台とした秩序亡き世界での
生き残りを賭けて繰り広げられるもう一つの現実。
** プロローグ **
2009年から現れ始めた予兆は止まることがなかった。
2012年から断続的に起こった自然災害は
復興しかけた先進国に深刻的なダメージを生み
世界恐慌を決定的なものにする。
進む格差社会化は、支配する者とされる者を確実に分けた。
仕事がなくなり、手に入らない物資、食料ですら満足に得れない状況。
経済は破綻し、生活すら保障できない先進国政府。
抑えきれない民衆の危機感は暴動に変わる。
各地で略奪が横行し、宗教に逃げ場を求め、テロを誘発。
2012年 大国で続く内乱は末期を迎え、
そして2014年、世界に核弾頭が飛び交った 「ジャッジメント・デイ」
それは、核兵器を使用した未曾有の国際同時テロという形により起こされた。
山岳氷河及び南極への複数同時核爆発テロにより、世界中で
40m級の大津波が発生し 海岸都市は一瞬にして大津波に飲み込まれた。
内陸部では人口100万人クラスの都市の多数で
戦術核ないし中性子爆弾が無差別に使用された。
地表は放射性物質で汚染され、多大なキノコ雲は地球を飲み込み
死の灰は北半球を覆い隠し、黒い雨が続き、大半の生命が死滅。
核の冬が地球を覆う。
環境は崩壊し、世界中で異常気象が多発。地表環境は一変した。
ジャッジメント・デイ前に完全防衛を宣言し、地下都市などの設備を急造し
完全崩壊こそまぬがれた日本ですら、荒廃は想像を絶するものであった。
4年間もの間続いた核の冬で地上の食物は大幅に激減し、
シェルター生活の人々にも深刻な食糧難を招く。常識の通用しない生活。
60億いた世界人口の70%にあたる約42億が死に絶え
生き残った者の大半にも後遺障害を残した。
…もはやこの数字を知る者は、地球上のどこにも残されてはいなかった。
新たな歴史は、地表での生活がいくばくなりにも再開できるようになった
最終戦争から6年後の西暦2020年。日本から始まる。
ガレキと化した旧世紀の残骸を踏み越え、自己の力により生き抜く人々。
崩壊した国家体制に、生き残った人々への秩序は無く、
一部は食料のため、一部は土地への執着のため、
一部は強大な組織力を求め、ぶつかり合う。
新たな秩序を作りうる、英雄の影を求めて・・・。