ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> マイタウン> 北海道> 記事 列車緊急停止 信号機配線ミス2009年01月17日
■JR 2年間気づかず JR函館線で15日夜、列車に停止を命じる赤信号が作動せず、普通列車が停止中の貨物列車の直前で緊急停止した原因は、その後のJR北海道の調査で信号機の配線ミスだったことが分かった。同社は2年間も配線ミスに気づかなかった。普通列車の運転士が目視で貨物列車を見つけ、ブレーキをかけたため追突事故は回避されたが、国土交通省は16日、事故につながる懸念がある「重大インシデント」として鉄道事故調査官を現地に派遣、調査を始めた。(綱島洋一) ◇ 緊急停止は15日午後2時35分ごろ、滝川市のJR函館線江部乙〜滝川駅間の上り線で起きた。旭川発岩見沢行き普通列車の運転士が、前方に何らかの障害物があるのを発見。ブレーキをかけて減速したところ、障害物は貨物列車と分かった。普通列車は貨物列車の約250メートル手前で止まり、運転士や乗客ら45人にけがはなかった。 現場は滝川駅の手前、約1・4キロの地点。貨物列車は除雪作業のために停車していた。JRの信号システムではこの場合、貨物列車の機関車の停止位置から見て640メートルほど手前の信号機が「赤」となり、後続の普通列車に停止を命じる。ところが、この信号機は「赤」にならず、「黄」を表示した。JRが調べた結果、配線が「赤」を表示する端子につながっておらず、「黄」の端子につなげられていたためだと分かった。 JRによると、この信号機は07年1月に設置された。記者会見したJR鉄道事業本部の幅口堅二工務部長は「信号機を設置した際の点検では正しく配線が出来ているとの確認書類が記録として残っている」と明かした。 それでも配線ミスが見つかったことについて、幅口工務部長は「今回の貨物列車のように同駅手前で列車が停車する事例がなく、信号機の誤配線に気づかなかった可能性がある」と釈明。配線ミスが発見できなかった原因を調べる考えを示した。 JRによると、信号が正しく表示されなかった場合、本社の列車指令では列車が衝突事故を起こす危険性が生じたことを把握出来ない。普通列車の運転士の目視に頼るしか列車追突を回避出来ないという。今回の事態では信号機が「黄」を表示したことから運転士は時速50キロに減速し、障害物を見つけたためさらに10キロまで速度を落としたことで、貨物列車の250メートル手前で停止できたという。
マイタウン北海道
|