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阪神大震災14年 命守る対策に連携強めて

 きょう一月十七日は、六千人以上が亡くなった阪神大震災から十四年。兵庫県内の被災地などでは追悼行事が行われる。記憶の風化を防ぎ、教訓を生かして大規模地震が発生しても被害を少なくする減災に向け、万全の対策をとる決意を一層強固にする日にしなければならない。

 東海、東南海・南海地震の発生が予測されている。死者が約一万八千人に上るとの想定がある東南海・南海地震は、今世紀前半にも発生する恐れがある。

 大地震に対する意識の高まりや備えが進む。岡山県は二〇〇八年に「県防災対策基本条例」を制定した。災害に強い地域を実現するために県、市町村、県民、自主防災組織、事業者、防災ボランティアの責務や役割を明確にした。行政による「公助」、地域が助け合う「共助」、自らが安全を守る「自助」がしっかりと結び付けば防災対策は有効性を増そう。条例を生かし、それぞれが役割を自覚し、連携を強めていきたい。

 不況の深刻化で財政事情の悪化が心配されるが、被災時に命を守るには建物の耐震化が最優先課題であろう。国や自治体は積極的に予算措置を講ずるべきだ。さらに、高齢化の進展でお年寄りら要援護者の避難支援も重要な課題である。

 高齢者が多い中山間地の集落が被災、孤立した〇八年六月の岩手・宮城内陸地震では事前に作成していた「要援護者リスト」が迅速な安否確認に役立った。例えば、宮城県栗原市の場合、独居者や高齢者、障害者ら約千六百四十人の連絡先を記した名簿を、本人の了解を得て作っていた。地震が発生した後、民生委員が登録者宅を訪れ、安否情報を市に連絡できたという。

 厚生労働省の調べでは、〇八年三月末時点で、要援護者のリストを作成した市町村は、全国で38・4%にとどまっていた。早急にリストを整備し、避難所の確保や誘導する人の役割分担などについて検討しておく必要があろう。

 気になるのは、内閣府の〇七年調査で、大地震に備えて家具などを固定している人の割合が30%以下と低いことだ。内閣府は、理由を「自分に限って災害に遭わない」という切迫感の欠如と、「家具をどうやって固定したらよいか分からない」など具体的な防災知識の乏しさにあると分析する。

 減災には防災意識を高めるだけではなく、具体的な備えと行動が欠かせない。公助、共助、自助ともに実践的な対策を進めていく一段の努力が重要だ。


春闘スタート ワークシェア論議深めよ

 日本経団連と連合の首脳会談が開かれ、今春闘がスタートした。労使が雇用安定に向けて協調する共同宣言を発表する異例の幕開けとなったが、有効な具体策は見えてこない。

 世界的な不況の広がりで企業業績が急速に悪化しており、今春闘を取り巻く環境は労使ともに極めて厳しい。連合は八年ぶりにベースアップを要求したが、経団連は賃上げは困難との認識を示し、溝の深さがあらためて表面化した。

 一方、非正規労働者の雇用打ち切りなどで社会不安を招いている雇用問題では、労使が雇用の安定・創出に向け最大限の努力をすることで合意した。

 労使が雇用問題で共同宣言を出したのは二〇〇一年十月以来である。ただ、その中心は政府に対する緊急対策の要望だ。失業者に対する雇用保険給付の拡充、住宅確保や企業の雇用継続を支援する雇用調整助成金の要件緩和など、雇用関連のセーフティーネット(安全網)整備を求めている。政府の雇用対策強化に弾みがつく効果は期待できようが、労使が主体となる具体策は打ち出せておらず、物足りなさは否めない。

 今回の会談では議題とならなかったが、今後の焦点となりそうなのが、労働時間短縮と賃金削減を組み合わせ、仕事を分け合って雇用を維持するワークシェアリングの是非論である。導入をめぐっては、賃下げが避けられないとして連合に抵抗感が強く、経営側にも生産性の低下につながりかねないとの懸念がある。協議は難航しそうだが、論議を深める必要はあろう。

 雇用削減の波は正社員にも及ぼうとしているが、非正規の失業問題に歯止めをかけるのが喫緊の課題だ。政府も巻き込み、雇用維持に向けた踏み込んだ対応策を打ち出すべきだ。

(2009年1月17日掲載)
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