厚生労働省は1日付で、人口動態統計の08年推計値を公表した。出生数は109万2000人と07年確定値を約2000人上回る半面、死亡数は3万5000人増えて114万3000人と戦後最高(戦中戦後の混乱で1944~46年はデータがない)を更新。出生数から死亡数を引いた人口の「自然増加数」は過去最大のマイナス幅となる5万1000人(減)と推計している。
人口減は2年連続で、05年を含め3度目。同省は、本格的に人口減社会に突入したとみている。
死亡数の増加は、高齢化の進展によるもの。戦後の最高は47年の113万8238人だが、08年はこれを5000人弱上回るとみている。死亡数が100万人を超えるのは6年連続だ。
一方、出生数の微増は、08年が平年より1日多いうるう年だった影響で、08年がうるう年でなければ「減少か横ばい」という。出産期の女性人口が減っているため、合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数に相当)は前年(1.34)より上昇し、1.36前後になると予測している。
結婚件数は前年比1万1000組増の73万1000組、離婚は4000組減の25万1000組。結婚の増加は2年ぶり。離婚は6年連続の減少。
人口動態の年間推計は、1~10月分の速報値などをもとに通年分を予測している。【吉田啓志】
毎日新聞 2009年1月1日 7時37分