簡単なマウス操作のみで、日本株全銘柄、過去17年分の検証作業を行うことが可能。
基本機能はパイロンのそれと似ているが、資金管理機能、売買指示機能といった独自機能を備えている。検証君の販売はインターネット・インベストメント・テクノロジー株式会社が行っている。
検証くんが搭載する資金管理機能は、株式を投資対象としているシステムトレーダーにとっては、かなり強力な機能である。
この機能を使えば、ユーザーが「資金量」や「ポジションサイズ」「レバレッジ活用の有無」「突入タイミング」を入力することによって、実際のトレーディングと相違がない形でバックテストを行うことが出来るからである。
実例を見ることにしよう。
表1は逆張りストラテジーとして有名な3点チャージを、資金管理を考慮せずに検証した結果である。
【表1】
1トレードあたり、+6.76%の期待値であるから・・・
1998年からの10年間においては、100万円を投資すれば1回のトレードあたり平均6.76万円の利益が得られたことになる。
しかし、この検証結果は資金量が考慮されていない、つまり3点チャージに合致した銘柄を全て100万円ずつ購入した場合のシミュレーション結果である。
資金量考慮済みの検証結果をみれば、これが全くの机上の空論であることがわかる。
表2は資金500万、1ポジションあたり50万、レバレッジ2倍、サイン点灯数に関わらず突入という条件で検証した結果だ。
【表2】
売りと買いのルールについては一切変更していないにも関わらず、期待値が4.24%まで低下している。
これはどういうことかというと・・・
3点チャージのような逆張り型の売買ルールは、相場全体が過剰反応したとき、つまり相場全体が大暴落した場合の方が、利益が出やすいという特徴がある。
つまり、100銘柄とか、200銘柄にサイン点灯した場合でも、全銘柄を購入することが出来れば、トータルで利益になるという性質を持っている。
裏を返せば、資金500万といった具合に、資金量に制限がある場合は、相場全体が暴落し期待リターンが高まった局面で、すべてを買い付けることが出来ずに、リターンを取り逃してしまうことになるのだ。
この影響の大きさについては、表3をご覧いただきたい。
【表3】
資金管理を考慮しないと、利益が期待できると判断できた3点チャージだが・・・
2006年は−49.4%、2007年は−11.6%と悲惨な結果になっていることがわかる。
また、ドローダウンが20%を大きく越えている年もチラホラあり、実際の運用には、とてもじゃないが使えない売買ストラテジーであるといえる。
これは資金管理を考慮したからわかったことであり、資金管理を考慮せずに検証しただけで運用を行っていたら、大損失を被っていたのは間違いない。
つまり、日本株4000銘柄を投資対象としてシステムトレードを行う場合は、この資金管理という概念は必須である。
資金量やポジションサイズ等を厳密に定義した形でバックテストを行わない限り、実践で使えないばかりか、大きな損失を出す可能性をはらんでいることになる。
最後に表4は、検証くんの資金管理機能を使って、資金量、ポジションサイズ、突入タイミングを定義した形で、3点チャージを検証し、その後チューニングを行った結果である。
売買ルールについては後述するが、3点チャージを極限までシンプルにし、資金管理をチューニングすることによって構築されたストラテジーである。
【表4−1】
【表4−2】
ご覧の通り、先ほどの検証結果とは比べ物にならないパフォーマンスとなっている。
通年で負けた年は一度もない上に、ドローダウンも全ての年で10%未満に抑えることが出来ている。
過去10年で平均年利97.1%、ドローダウン5.6%であるから、実践でも十分活用できるストラテジーであると言えるだろう。
これは検証くんの資金管理機能を使って、突入タイミングを変化させたことによるパフォーマンス改善である。
株システムトレードを実践するにあたり、資金管理という概念がいかに大きな影響をおよぼすか、実感いただけたことと思う。
売りと買いのルールだけでは不十分であり、資金管理次第で勝てるストラテジーにも、負けるストラテジーにもなってしまう。
ちなみに、この資金管理を完全な形で行えるソフトは現在のところ検証くんしか存在しないため、日本株4000銘柄を投資対象としたシステムトレードを行うのであれば、検証くんは必須のシステムトレードソフトといえるだろう。
※補足1 表4で使用した売買ルールは以下の通り
買い条件 | 終値と25日移動平均との乖離が−25%以下 【かつ】 終値の前日比率が−8%以下 【かつ】 当日終値が100円以上 【かつ】 10日平均売買代金が1000万以上 |
売り条件 | 含み益2%以上 【または】 買付から14日経過 |
資金管理条件 | 初期資産 500万円 最大レバレッジ 2倍 1ポジションあたり50万円で仕掛け 過去80日の平均サイン点灯数の3倍以上に合致した局面のみ突入 シグナル優先順位:10日平均売買代金の降順 |
※補足2 ExcelやVBAといった市販のソフトを使って、日本株4000銘柄を検証するのは、スピード的にも難易度的にも不可能に近い。ましてや、資金管理をも考慮した検証を、スムーズに行うことは無理である。
資金管理機能や、売買指示機能といったトレードで収益をあげる上で、非常に強力な機能が備わった検証くんだが、デメリットとしては、以下の点があげられる。
・価格が高い
まず価格が156000円と高額である。一般個人投資家にとって、決して安いコストとはいえない。
しかし、何の戦略もなしにトレードを行えば、100万、200万とお金を失うことは、決して珍しいことでも何でもないため、一概に156000円のコストが高いと決め付けるのは早計であろう。
事実、検証くんのユーザーが集っているサイト等を見ると、検証くんをフル活用して、購入代金を回収したユーザーが大半である。ちなみに、私もその一人である。
また独学でC#等のプログラミング言語を学び、検証くんで出来るのと同等のレベルで検証作業を行うためには、莫大なコストを支払う必要があるのはあきらかであり、現実的ではない。
価格については、あなたの判断にゆだねることにする。
・試用期間がない
販売元が、余程ソフトの完成度に自信があるのか、それとも実際に利益があがるノウハウであるから流出を恐れているのか知らないが、検証くんには試用期間がない。
いくら、検証くんを活用して、バックテストを行い、実際のマーケットで利益を手にしている投資家がかなりの数にのぼっていると言っても、高額ソフトを試用なしで購入するのにためらいを感じる方もいるのは事実であろう。これは検証くんのデメリットである。
「自分でプログラミングを行うことが出来ないシステムトレーダーが、システムトレードソフトを手にして最も利益をあげる可能性が高いソフトはどれか?」
私の結論は、「この検証くんである。」というものだ。
日本株全銘柄を対象にしたシステムトレードを実践する上で、資金管理はストラテジー構築を行ううえで、本当に重要な概念であることは、疑いようがない事実である。
4000銘柄の中から、20銘柄程度を抽出してシステムトレードを実践するのであれば、パイロンでも行えないことはないが、それではカーブフィッティングの危険性をさけては通れなくなる。(もちろんこの検証は、検証くんでも出来る)
価格が高額であることや、試用期間がないといったデメリットはあるが、多くのユーザーが検証くんで構築した売買ルールで利益を得ていることは事実であるし、私自身もそれなりの恩恵を受けている一人である。
以下のサイトでは、実際に利益があがる売買ルールも無料で公開されているうえに、検証くんの各機能についての説明、オンラインデモ等も閲覧することが可能だ。
検証くん公式ホームページはこちらをクリック
あなた自身の目で吟味いただき、最良のシステムトレードソフトを手にされ、マーケットの世界で利益を得られんこと願っている。