小金井市の市民グループが市庁舎建設の是非を問う住民投票条例の制定を直接請求している問題で、稲葉孝彦市長は16日、臨時市議会を19日に招集し条例案を付議すると告示した。採決は市民グループによる意見陳述や質疑がある21日以降になる見込み。市議会では依然、条例案への賛成派と反対派が拮抗(きっこう)している。
直接請求したのは、市民グループ「駅前庁舎の是非を問う住民投票を実現する会」(橋詰雅博共同代表)。市庁舎をJR武蔵小金井駅南口の再開発地区に建設することの是非を問うもので、期限の1カ月間で1万252人分の署名を集めた。これは直接請求の法定数である有権者の50分の1(約1900人)の5・5倍に相当し、橋詰代表は「この署名数を重く受け止めてほしい」と訴えていた。
稲葉市長は条例案に添付した意見書の中で、「現在においても市庁舎の整備は、武蔵小金井駅南口のまちづくりの一翼を担うもの」「この間の経緯からも、単独事業として(市民グループが主張する)蛇の目ミシン工場跡地に市庁舎を整備することはできない」と主張。住民投票条例の制定に反対する姿勢を明確にしている。【中村牧生】
〔多摩版〕
毎日新聞 2009年1月17日 地方版