石原知事は16日の定例会見で、16年の夏季五輪招致で民主党都議団が主張している国立競技場の改築案などについて、「あの場所にIOC(国際オリンピック委員会)の基準に収まるものを作れと言っても物理的にできっこない」と批判した。
民主党都議団はこれまで石原知事に対し、(1)平和の祭典を強調するため被爆地の広島・長崎両市で何らかの競技を行う(2)メーンスタンドの晴海への新築計画を撤回し、国立競技場(新宿区)を改築して費用を抑える--などを提案した。だが都側が消極姿勢だったため、都議団は13日の幹部会議で、現在の開催計画への反対を確認した。さらに、党本部に五輪招致の国会決議に慎重な対応を求めている。
石原知事は広島・長崎について「選手の練習機関としては活用できるが、財政の上でも負担で両市が引き受けるかわからない」と述べた。これに対し田中良幹事長は「五輪開催自体は反対ではない。理念やプロセスが不十分だ」と反論している。【江畑佳明】
毎日新聞 2009年1月17日 地方版