長崎市の新市立市民病院と日赤長崎原爆病院の統合問題で、長崎市議会厚生委員会(小森あきと委員長)は16日、野田剛稔・長崎市医師会長と、河野茂・長崎大医学部長を参考人として呼び出し、病院統合について見解を聴いた。しかし、両者の考えは大きく食い違い、医師の間でも統合賛成派と反対派の亀裂の深さを印象付けた。
野田会長は、市の新市立市民病院現地建て替え案と県の統合案との比較について「大きな病院が一つ建ってもすべてが解決するわけでない」「病院の規模でなく、指導者をどう育成するかが大切」と話した。
一方、河野医学部長は「病院が大きくて高機能なら若手医師も患者も集まり、経営もうまくいく」。病院統合で医師不足解消が可能かについては「エビデンス(証拠)はないがこのままではジリ貧になる。魅力的な病院を作ることがまず一つの手立て」と話した。
同委員会は22日にも蒔本恭・県医師会長から見解を求める方針。【下原知広】
〔長崎版〕
毎日新聞 2009年1月17日 地方版