本日は何を取り上げようかと少し迷ったのですが、昨日書いた小さな記事がボツになっていたので、その件について書きます。記事はもともとミニニュースように12字組で25行のごく短いものに、「日教組問題究明議連 輿石氏発言に危機感」という狩り見出しをつけてデスクに送ったのですが、特にニュース性はないと判断されたのか使ってもらえませんでした。以下がその記事です。
《自民党有志でつくる日教組問題究明議連(会長・森山真弓元文相)は15日、日教組問題を追及してきた元
会合では、民主党の輿石東参院議員会長が関係法令を無視した「教育の政治的中立はありえない」との発言を行った問題も話題となった。議員側からは「まさにここ(政治的中立)が大事なところだ。もし日教組の代表が文科相にでもなれば、日本はおかしくなる」(中山成彬前国土交通相)などの指摘がなされた。》
そこでこの場を用いて、記事の内容を少し補足してお伝えしようと思います。第3回となるこの日は、私がざっと数えた範囲で18人の議員が出席し、その中には文相、文科相経験者である森山、中山、町村信孝の3氏もいました。記事の中でも少し触れましたが、中山氏は冒頭のあいさつで次のように述べました。
「(次期衆院選の結果)もし日教組の代表が文科相にでもなれば、私たちが進めてきた教育改革は元の木阿弥となり、反日、反米、道徳教育反対の教育が行われ、日本はおかしくなる。きょうもマスコミは取材に来ていない。マスコミは、自分たちの社の方針に反することは全く報じない。昨日も、民主党の輿石氏は、『教育の政治的中立はありえない』と述べたが、まさにここが大事なところだ。現状に危機感を抱く。このままでは教育どころか日本がおかしくなる」
また、義家弘介氏も「輿石氏は日教組の新年会で『私も日教組とともに戦っていく』と宣言している。まさに、この大きな問題にどうメスを入れていくかだ」と語っていました。私が今の自民党は弱いなあ、本当に下手だなあと思うのは、輿石氏の発言が法令違反をそそのかすような問題発言だと分かっているのであれば、こういう議連の場だけでなく、党幹部の定例記者会見などで自ら取り上げて追及すればいいのに、と考えるからです。そうすれば、マスコミ側だって何らかの形で取り上げるだろうにと。そうすれば、より国民の関心を喚起する機会は増えるでしょうに。私は昔の自民党は知りませんが、ここ数年ずっと見てきて、小沢不動産問題でもマルチ疑惑でも、少し相手をつついてはみるものの、本当に戦おう、たたきのめそうという姿勢は見せませんね。よく言えば上品、悪く言えば弱い政党になってしまっているのだろうと思います。
まあそれはともかく、この日の会合で山谷えり子氏が述べたところによると、この議連には全国から日教組による教員の人事支配の事例・情報などが寄せられてきているといい、その点は月末に予定されている次回会合で公表したいということでした。また、今後は全国集会を開くほか、日教組問題に関する小冊子やビラをつくり、地方視察も行うということですから、ぜひ頑張ってほしいものです。とにかく日教組の問題、弊害をより多くの人に知ってもらわないことには、なかなか事態は改善されません。
会合では、伊藤氏
「自分は京都だけど、全国どこでも同じだと思う。教育委員会が選別しているのだ。悪いとされるところに悪い先生を送り込んで集めている。組合側だけではなく、教委側もそうした方が管理しやすいのだ。だから、同じ市内でも地域・学校によって全然違う。京都もそうだ」
この点は重要だと思います。私のブログのコメント欄でも、日教組の弊害を説くとよく、「でも自分の先生はいい先生だった」「そんなに偏った教育は行われていなかった」「自分の出身地は日教組の組織率が高かったが、そんなにひどくはなかった」といった感想が寄せられますが、西田氏が指摘するような事情から問題が見えにくくなっている場合もあるのだろうと考えます。それと、これは以前のエントリでも書いたことですが、一口に日教組と言っても、児童・生徒に自虐史観を植え込み、国旗国歌反対闘争を続け、過激な性教育を実施する「分かりやすい」単組と、暴力的な闘争路線はとらず、一見穏健派を装いながら、教委などとの癒着・一体化を進め、県政を背後で支配し、公教育を根深く蝕んでいく「分かりにくい」単組もあるのです。ちなみに、輿石氏の基盤である山梨県教組は後者です。こういうところでは、教委のメンバー自体、組合幹部出身者で占められますから、教育現場の支配の仕方は巧妙です。
また、この日出席していた町村氏も重要な指摘をしました。町村氏は官房長官時代に、文科省に対し、教員の闇専従の実態を調査させたそうですが、文科省から戻ってきた回答は「闇専従はない」というものだったとのことでした。「そんなわけはない」と再調査を命じたところ、文科省は「ずっと以前に北海道であったが今はない」とシラっと答えたとか。町村氏は「おそらく現場では山ほどあるだろう」と語っていましたが、文科省の調査などそんなものです。おそらく、文科省は官房長官に言われて仕方なく、都道府県教委に問い合わせ、県教委側が「ない」と回答したものをそのまま報告したのでしょう。その教委も、各学校に問い合わせたかもしれませんが、実際に闇専従をやっている学校が「はい。以前からやっています」などと答えるはずがありません。
伊藤氏、教員が日教組で闇専従を行っている実態を議会で追及した際、学校側が校長ぐるみで出勤簿を改竄して問題ないと教委側に報告し、教委側がそれをそのまま鵜呑みにして(あるいは実態を知りつつ知らん顔して)議会に報告した問題を、その学校の生徒からもらった時間割票をもとに虚偽であると暴いた話を紹介していました。
こうした伊藤氏の戦いについては、その著書「中山成彬はなぜ日教組と戦うのか」(KKベストセラーズ)に詳しいので、関心のある方はそちらをご覧ください。ちなみに、私も昨日入手して読んで初めて知ったのですが、この本は私が以前、激論ムック「誰も知らない教育崩壊の真実」(オークラ出版)に書いた「迫り来る日教組による政治支配」から山梨県教組問題についてけっこう、そのまま引用してあったので驚きました。ちなみに、私の名前も出てくるのですが、「阿比留瑠衣」と間違えてありました。これでは女性だとしか思えません(正しい表記でも性別不明ですが)。今年いただいた年賀状でも私の名前が違っていたものが3通ありましたし、変わった名前で得したこともありますが、本当に因果な名前だとも感じます…。
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15日の自民党日教組問題究明…