岡山放送局

2009年1月17日 9時49分更新

緒方貞子氏が岡山で講演


国連の難民高等弁務官を務めていた緒方貞子さんが16日、岡山市で講演し、大量の難民が発生している国では、現地の人々のニーズを把握した上で経済援助を行っても問題を解決できないケースがあることを指摘しました。

緒方貞子さんは、1991年から10年間、国連の難民高等弁務官として戦争や災害などによって難民となった人たちを支援する活動を行い、現在は国際協力機構の理事長として途上国への援助活動に携わっています。
16日の講演会は、岡山市のさん太ホールで開かれ、300人以上の人が詰めかけました。

講演会のなかで、緒方さんは、アフガニスタンでは日本を含む先進国が多額の援助をしているにもかかわらず治安が回復せず、600万人にものぼる難民の問題を解決できない現状があることを報告しました。

その上で、軍事力による治安の確保や経済優先の開発政策を推し進めるよりも、人々が自立して生活するにはどうすればよいかという観点から政策を立案することが最も重要であると指摘しました。

会場は、立ち見がでるほど人があふれ、訪れた人たちは国際社会の前線で活動していた緒方さんの話に熱心に耳を傾けていました。