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【幻のドラえもん】(下)突然の最終回、セル画は河川敷で燃やされた (3/3ページ)
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真佐美さんはドラえもんを機にアニメの仕事を辞めた。会社消滅の際、支払いを心配する外注先に「もし皆さんに迷惑をかけたら、私が責任を取って業界から足を洗う」と一軒一軒、説得して歩いたにもかかわらず、結局は迷惑をかけてしまったことへの、真佐美さんのけじめだった。
職業訓練校へ通い、自動車整備工になった。電装品の会社や解体会社、精密機器工場、民間車検場、板金会社と職を転々。最後は自営でトラック運転手になり59歳までハンドルを握った。傍ら、平成15年に会員制ホームページを立ち上げ、自らが保管するドラえもんの資料を公開。ファンの求めに応じてDVDの無料上映会を開くなど、忘れられた「日テレ版」の語り部を続けている。
真佐美さんは言う。
「制作会社が解散したためとはいえ、幻とまでいわれてしまったのは私にも責任がある。手元に残る資料を公開することで、幻ではない本当の姿を伝えたいのです」
(おわり)
※連載では、藤子不二雄ファンサークルマガジン『Neo Utopia』(43号、2006年)を参考にさせていただきました。