福岡県筑前町立三輪中2年の森啓祐君(当時13歳)がいじめを苦に自殺した問題で、遺族が14日、人権侵害だと認定した福岡法務局(福岡市)に対し、調査で把握した内容を公開するよう行政機関個人情報保護法に基づいて情報開示請求した。
同局は今年5月、森君への人権侵害があったとして、当時の校長や1年時の担任に対して反省を促す「説示」措置などを行った。遺族には措置について説明したが、根拠や具体的な内容についてはプライバシー保護の観点から公表しなかった。
父順二さん(40)は「少しでも多く知ることで、息子に何があったか知りたいのが遺族としての感情だ」と話していた。
同法では本人による開示請求が原則で、開示対象も生存者本人の情報と規定。一方、山口地方法務局(山口市)が今年7月、山口県下関市で自殺した中3女子生徒(当時15歳)の遺族に対し人権侵犯事件記録の一部を開示するなど、遺族感情に配慮した動きもある。【高橋咲子】
毎日新聞 2007年9月15日 西部朝刊