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VOL.04 今時代劇がおもしろい!VOL.03 京都の正体 VOL.02 思考としてのガンダム VOL.01 メガヒットの法則 マンガ新世紀宣言
 
 

対談・インタビュー特集 京都ネイティブが語る「我が京都」

京都の街には、中学生、高校生の修学旅行客が、今日も溢れている。
が、この街は一〇代半ばでわかるほど、なまやさしくはない!
―京都生まれ、京都育ち、あるいは京都在住のネイティブたちに【真実の姿】を訊く!

VOL.4 宮崎学 京都に残る「いけず」の文化が私は大嫌いなのだ

「京都に生まれて良かったことなど何ひとつないね。京都の良いところ?そりゃあ、私を生んだことだろう(笑)」
ヤクザの組長を父に持ち、京都の街で暴れ回った少年時代―。若き突破者の目に、京都という街は、どのように映っていたのか?

 「京都は嫌いだね」
 ベストセラー『突破者』などの自伝的作品に描かれている通り、京都のヤクザの息子として生まれ、破天荒な少年時代を送った宮崎学さんは、口を開くなり、そうつぶやいた。異端の者を受け入れない排他的な風土を実感したということなのか。
 「いや、東京だって同じように排他的だし、この国はどこもかしこも排他的だよ。私はたまたま京都で生まれ育ったから、京都の中にそうした人間関係における負の部分を見たに過ぎない。北海道で生まれ育った人は北海道で、九州で生まれ育った人は九州で、同じようにそれを見るだろうね。そして同じように、どの地方にも良い部分がある。生まれ育った環境の中で、その良いところも悪いところも見てくるのだろうと思う。ただ私の場合は、良い部分というものをほとんど見ずに育った。悪いところばかりがよく見えてしまったんだと思うね。私の出自及び育った環境の中では、そうだったと思われる。どの地域にもあるはずの人間関係の嫌らしさ、陰の部分が、宮崎学的環境の中では非常に目立って見えていたということだろう。私が知りうる環境は、北海道でも九州でもない。あくまで京都であって、私にとってそうした負の部分は、まさに『京都だから』ということになるんだな。だから京都に生まれ育って良かったと思うことなんて何もないよ。強いて挙げれば、神社仏閣がたくさんあるところかな。賽銭泥棒をする場所に事欠かなかったから(笑)。子供の頃はずいぶんとお世話になったものだよ。駄菓子屋に行って菓子を買うくらいのカネは、毎日いただいていたから。そういう意味で、本当に有り難い場所だったと思いますよ。そんなもんでしょう。そんなことばかりやっていて罰が当たったから、今の私みたいになってしまったんじゃないかと思うけどね」  ・・・・・・(本誌につづく)

宮崎学 (みやざき・まなぶ)
1945年生まれ。早稲田大学法学部中退。在学中は共産党系ゲバルト部隊隊長として名を馳せる。『週刊現代』記者を経て、家業の解体業を継ぐが倒産。その後、グリコ・森永事件で「キツネ目の男」として警察にマークされる。1996年『突破者』(幻冬舎アウトロー文庫)で作家デビュー。近著に『安部晋三の敬愛する祖父岸信介』 (同時代社)『日本と戦う』(共著・講談社)など。

C O N T E N T S

対談・インタビュー特集
京都ネイティブが語る「我が京都」

映画で鮮やかに描かれる理由 / 李鳳宇vs中村真夕......pg.6
我が演劇的情念 / ヨーロッパ企画......pg.14
京都人になる憧れ / 中川五郎......pg.22
「いけず」文化が大嫌い / 宮崎学......pg.30
お笑いはどこかシニカルなんです / 木村政雄......pg.36
40歳を過ぎてからの面白さ / 岡崎武志......pg.42

京都の不思議、俵屋の謎 / アーネスト・サトウ......p49

みうらじゅんの京都
みうらじゅんの「勝手に京都」......p100
じゃぱに〜ず おみやげ......p121

発見・京都!!
試験に出ない京都のなりたち / 石黒謙吾......p20,p28,p34
マンガでわかるKYOTO / 高取英......p41,p48
謎の京都 / 京都なんでもQ&A......p97
なんやコレ! / コラム......p110,p112,p128,129
What do you think of Kyoto?......p113
よそさんが語る京都人の正体......p136

KINO的京都ガイド
京都市街地近代建築ガイド......p56
お散歩ガイド / トイレ・銭湯・のれん......p75
パノラマ学食名店街......p86