トップ > 静岡 > 1月16日の記事一覧 > 記事
【静岡】院内暴力の事例を寸劇で再現 県立総合病院で対策研修会2009年1月16日
病院内で医師や看護師、職員らが、患者や家族から暴言を浴びせられたり、身体的暴力を受けたりする「院内暴力」が、各地で目立っている。県立総合病院と静岡中央署が15日に同病院で開いた「院内暴力対策研修会」から、現状と対策を探った。 (藤川大樹) 時間外に来院した外来患者が待合室で「早く診察しろ。いつまで待たせるんだ」と怒鳴り散らす。ごみ箱をけり上げる。対応した医師の胸ぐらをつかむ−。 これは、研修会で演じられた寸劇の一こま。同病院では刑事事件に発展した事例はないが、医師が胸ぐらをつかまれたり、職員が暴言を浴びせられたりするケースはたびたび起きており、増加傾向にあるという。 研修会で同病院は、こうした暴力行為への対応について紹介。約1年前から静岡中央署と対策について協議を重ね、昨年8月には、院内のマニュアルに盛り込まれている院内暴力対応の項目を改訂。警察への通報基準などを設け、実効性を高めたという。 研修で静岡中央署の伊藤邦彦・生活安全課長は「早期通報が第一。なるべく大人数で対応し、現場からほかの患者を遠ざけ、けが人を出さないようすることも大切。できるだけ冷静対応を」とアドバイス。通報のポイントとしては、事案の概要(口論か、暴行か)▽対象者の性別、人数▽発生日時、場所▽凶器の有無▽けが人の有無−などを挙げた。 全日本病院協会が約2年前、加盟する2248病院を対象に実施したアンケートによると、有効回答(1106件)の52・1%にあたる576カ所が「過去1年間に院内暴力を経験した」と回答したという。件数は計6882件で、(暴言など)精神的暴力が最も多く、身体的暴力、セクハラと続いている。
|