いつものように自動料金収受システム(ETC)レーンを通って、高速道路に入ろうとした。ところが、バーが開かない。初めての経験で、立ち往生してしまった。
ほどなく、ETCカードの車載器への挿入が不十分なことがわかったが、後戻りはできない。レーン脇のスピーカーからの係員の指示で通行券を取るとバーが開き、無事本線へ。当然だが出口では現金で支払った。
マイカーにETCを付けて五年近くになる。「バーへの接触相次ぐ」などETCレーンでのトラブルを伝える記事もよく目にした。カードの入れ忘れなど初歩的ミスが原因と報じられていたが、まさか自分がやってしまうとは。
二〇〇一年から導入が始まったETCの利用率は現在、約75%まで伸びた。それに伴って事故も増えている。本来、ETCレーンは時速二十キロ以下で徐行しなければならないが、バーが開かずに急停止した車に、後続車が追突する事故も目立つという。
西日本高速道路などは事故防止のため、バーの開くタイミングを従来より遅くする対策を進めている。車の進入速度を落とす習慣をドライバーに付けてもらおうという狙いだ。
便利さも一歩間違えれば危険と隣り合わせだ。ドライバーの油断禁物は言うまでもない。高速道路各社のさらなる安全対策も求めたい。