静岡市が実施した市民意識調査で、重症度に応じて1次、2次、3次と分担して対応する救急医療体制を約4割の人が知らないことがわかった。病状が軽いのに救急車を利用したり、平日や昼間に受診できないなどの理由で救急を利用する「コンビニ受診」をなくすため、市は医療体制の周知を強化する。【望月和美】
調査は昨年8月に静岡市全域から市民の1%にあたる5858人を抽出。救急医療や市議会への意識など5項目についてのアンケートを郵送で実施し、3341人から回答を得た。
その結果、67%が救急医療を受診した経験があり、うち半数が「救急車を呼んだ」と回答した。また受診理由(複数回答)では、受診者の約5割が「急なけがや発熱」を挙げた。
また、救急医療体制の分担については「知っている」が16%、「聞いたことがあるが詳しくは知らない」が38%だったのに対し、「知らない」が42%に上った。
さらに、受診した際に利用した医療機関(複数回答)は、70%が入院が必要な2次救急で利用する「総合病院など大きな病院」と回答。風邪や軽度のけがなど帰宅可能な症状を担当する市急病センター(20%)や当番の開業医院(17%)に比べ、総合病院の負担が大きいことが分かった。
毎日新聞 2009年1月15日 地方版